黒い家 / The Black House

黒い家 / The Black House

1999年に日本で公開された、貴志祐介原作の映画。監督は森田芳光。2007年には韓国でも映画化された。保険金殺人をテーマにした作品で、当時使われだした「サイコパス」という表現にも焦点が当てられた。心理学的な「反社会性人格」(サイコパス)という存在についての警告や残酷な描写が含まれ、殺人鬼を演じる大竹しのぶと主人公を演じる内野聖陽との攻防が手に汗握るホラー・サスペンスとなっている。

黒い家 / The Black Houseのレビュー・評価・感想

黒い家 / The Black House
9

ハラハラしたい人向け

「普通に見える人のほうが、見るからにヤバい人よりヤバい」と、そう思わせる作品です。何と言っても、その時代の時事問題や世相をよく反映させているようにも見えます。
インターネットの出始め、2000年問題、ゲーム脳、少年犯罪などが世間を騒がせ、サイコパス・精神異常が面白おかしく文学の世界に落ち込まれた時代なのだと思います。
インターネットに関して言えば、かの『ターミネーター』が上映された年でもあり、ネットに期待と不安で先行きが見えない不安な世相だったのでしょう。2000年目前でミレニアムを祝いつつも、システムの誤作動の対策を急ぐ声が相次いでいました。
ゲーム脳は、その後、誤りであったと沈静化していきましたが、ゲームと暴力の相関関係は未だ謎の多い部分でしょう。そんなゲームでの暴力が実際に少年犯罪を生んだ時代でもありました。

そんな時代のヤバい時代の空気感をパッケージ化したような本作です。
そして本作の敵は異常なほど強いです。まるで『バイオハザード』の敵のように。
しかも、悪いことに、主人公はその人物に、ヤバイ奴から離れたほうがいいと匿名の手紙を書いてしまうのでした。どうです?ハラハラしてきませんか?
これから暑くなるそんな季節に、ゾッとひんやり納涼するのに、ぴったりな作品となっております。