消えた声が、その名を呼ぶ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
第一次世界大戦時のオスマン帝国。アルメニア人の鍛冶職人ナザレットは、ある夜突然憲兵隊に連行され、強制労働を強いられたのち処刑される。喉を切られ声を失ったが、なんとか命をとりとめたナザレットの唯一の希望は、愛する家族に会うこと。砂漠を歩き、海を渡り、8年の歳月をかけ地球半周もの旅をした一人の父親を、若き名匠ファティ・アキンが描いた壮大な歴史ドラマ映画。
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ファティ・アキンは1973年8月25日生まれのドイツの映画監督、脚本家、俳優、プロデューサー。36歳の若さで世界三大映画祭すべてで賞を獲得したことでも知られる。代表作に『愛より強く』、『そして、私たちは愛に帰る』、『ソウル・キッチン』などがある。
ファティ・アキンは16歳の時に映画監督になる夢を抱き、高校時代からアマチュア俳優として活動したり、8ミリカメラで映画の自主製作をしたりしていた。1993年にはハンブルクにある映画プロダクションで脚本家や俳優として働き始める。
2004年に共同で映画制作会社を設立し、『愛より強く』を発表した。この作品はニュー・ジャーマン・シネマを彷彿とさせる作風で注目され、第54回ベルリン国際映画祭金熊賞やヨーロッパ映画賞作品賞を受賞した。
2007年公開の『そして、私たちは愛に帰る』では第60回カンヌ国際映画祭で脚本賞と観客賞を受賞。そして2009年公開のコメディ映画『ソウル・キッチン』では第66回ヴェネツィア国際映画祭で審査員特別賞を受賞。これにより30代にして世界三大映画祭を制覇を成し遂げることとなった。