めだかボックス / Medaka Box

めだかボックス / Medaka Box

原作:西尾維新、作画:暁月あきら。
週刊少年ジャンプに掲載、コミック全22巻。ジャンル「学園異能インフレ言語バトル漫画」。
ありとあらゆる事を完璧に出来る、黒神めだかが生徒会長となり学園の問題を仲間達と解決していく物語。超人を人為的に作り出す「フラスコ計画」編から「能力者」と呼ばれるキャラがめだかと戦う。原作者は「物語シリーズ」で有名、キャラの独特な名前、推理、言葉遊び、パロディが豊富。

めだかボックス / Medaka Boxのレビュー・評価・感想

めだかボックス / Medaka Box
10

言葉遊びの天才が描いた作品

『めだかボックス』は週刊少年ジャンプで連載されていた、学園バトル漫画です。
原作は西尾維新さんで、作画は暁月あきらさんです。
原作の西尾維新さんは小説なども執筆しており、言葉あそびが非常に上手です。
今回の『めだかボックス』でもバトル展開の中に言葉あそびが非常に多く盛り込まれています。

例えば、主人公がその婚約者たちと戦う場面があります。
その戦いでは、「消失しりとり」が行われます。
これはしりとりをしながら50音表の中から、それぞれの文字が1度きりしか使えないというゲームです。
そのため「しりとり」を使ったら「し」「り」「と」「り」の4文字が50音表から消え、それ以外の文字で以降のしりとりを戦わなければいけません。

これだけでも非常に頭を使わされるかなと思います。
それにもかかわらず、物語を盛り上げるために、50音をほとんど使い切るように話を展開させていく西尾維新さんの手腕は圧巻です。
また、仕掛けはそれだけではありません。
主人公は50音をほぼ全て使い切り、相手が最後に残す50音を操作するのです。
相手に最後残した50音は「こ」「う」「さ」「ん」つまり降参です。
負けを認めさせ、これ以上ない綺麗な幕引きな上、相手が涙を流しながら言ったセリフが「降参である。言葉もない」です。
いや綺麗!50音を使い切ったこととかけて、綺麗に負けたことを表現する「言葉もない」を入れてくるあたりが素晴らしいですね。
これ以外にも人間の感情の機微や、哲学的な要素も多く非常に楽しめる漫画です。

めだかボックス / Medaka Box
9

異能力バトル漫画

才色兼備質実剛健文武両道唯一無二、最強で最高に可愛い完全無欠のお嬢様、「めだかちゃん」が主人公の漫画。
『世界は平凡か 未来は退屈か 現実は適当か? 安心しろ、それでも生きることは劇的だ』
本作品はこんな演説を主人公が行うところからはじまる。超マンモス校である箱庭学園の生徒会長に高校1年生にして選ばれためだかちゃんは、公約の1つとして目安箱を掲げた。それは生徒からの投書を24時間365日何でも受け付けるというもので、幼馴染の男たちと目安箱に届く投書に応えていくという漫画。
しかし、巻数が続くにつれて生徒会の日常ものからバトル物へとシフトしていく。箱庭学園は1学年13クラス存在し、普通科、体育科、芸術科、特別普通科、特別体育科、特別芸術科などとクラスごとに分けられている。特待生は学費免除などの特権が与えられているが、なかでも13組の生徒は「異常」と呼ばれる人たちが集まっており、学費免除どころか登校義務すら存在しないという特別の中の特別が集められたクラスである。
ありとあらゆる分野において人並み以上の成績を出してしまうめだかちゃんは、箱庭学園の13組に在籍している。しかし、それが故に様々な事件に巻き込まれてしまう。「異常」「過負荷」「悪平等」などといった相手と戦ったりしながら、めだかちゃんが成長していく物語です。
様々な敵との戦いや、主人公とその周りの成長。そして言葉遊びなどのギャグパートなどもあって、大変面白い作品です。