海月姫 / Princess Jellyfish

海月姫 / Princess Jellyfish

海月姫(くらげひめ)とは、漫画家・東村アキコにより描かれた少女漫画である。講談社発行の雑誌Kissにおいて連載されている。オタクでニートの女たち、通称”尼~ず”はレトロなアパートの天水館で自らの趣味に没頭して暮らしていた。その一員である主人公の月海はクラゲのクララをきっかけに女装男子の蔵之介と知り合い、天水館売却を阻止すべくクラゲモチーフのドレスデザイナーとして奮闘することになる。

海月姫 / Princess Jellyfishのレビュー・評価・感想

海月姫 / Princess Jellyfish
7

強烈なオタク達が愛しく、笑える!

東村アキコの作品といえば、デフォルメされた濃いキャラクターが登場するのが魅力ですが、この『海月姫』にも、強烈なキャラクター達が集結しています。

この漫画の主人公、月海が暮らすのは、天水館というシェアハウスのようなところ。ここは男子禁制で、女性ばかりで暮らしています。
そして、彼女たちは全員オタクなのです。歴史オタク、鉄道オタク、アンティーク着物オタクなどなど…、それぞれの個性が強調されていて、なおかつ本当にいそうな感じがするキャラクターばかりです。
作者が各界のオタクについてリサーチしたのか、そういう界隈に詳しいのかわかりませんけども、彼女たちのキャラクター設定と描写には脱帽させられると同時に、かなり笑わされました。

しかも、彼女たちの呼び名は「尼~ず」。男を必要とせず、オタク活動に打ち込むことから名づけられたのでしょうが、この発想がすごいと思います。そして、社会的には日陰の存在として生きている尼~ずですが、読んでいて私もこんな仲間と暮らしたいと思えるような楽しさがあります。

尼~ずの天敵は男性とオシャレ人間です。
しかし、そのどちらの特性も兼ね備えた人物が天水館に出入りすることに。
この人物、蔵之介の存在によって、尼~ずは外界に駆り出され、ストーリーが展開していきます。

女顔負けの美しさで、ファッショナブルなリア充の蔵之介は、一見、尼~ずと真逆の人間のように見えますが、言うなれば彼もファッションオタクで、なんだかんだ言って尼~ずと相性が良く、そんなところが微笑ましかったです。

海月姫 / Princess Jellyfish
8

キャラがしっかりしていた

原作愛のある作品だと思いました。原作は、話の内容的にはちょっとありえない感じだけど、キャラクターがしっかりしてて面白い系の話なのですが、映画もそのキャラをちゃんと受け継いでいる感じです。菅田将暉くんとか、まさに蔵之介だなと思いました。細いし、女装も似合っていたと思います。男のときはかっこいいのに、女装も似合うとは、最強です。それに、なんといってものんさんです。のんさんは、あまちゃんの時もですが、ちょっと変わった女の子役がとても似合います。女だけのアパートに住み、住んでいる人はリア充からは程遠い人たちで男慣れしていない感じが、とても似合ってました。また、ものづくりとかファッションとか、女の子が好きなことがテーマの作品なので、その点でも見ていて楽しかったです。やっぱりものをゼロから生み出すのって大変だなあと思いました。話の内容的には、そんなに中身はないものでしたが、ファッションショーに向かって頑張るところに焦点を当てていて、応援したくなる、そんな映画になっていたと思います。まあ、映画なので話はサクサク進んじゃって、もうちょっと深く描いてほしいなというところはありましたが、なかなかおもしろかったと思います。