貞子・伽椰子に次ぐ新時代のJホラーシンボル
「ミンナのウタ」は2023年8月11日に公開された日本のホラー映画で、監督は「呪怨」で名高い清水崇です。GENERATIONS from EXILE TRIBEが全員本人役で出演。カセットテープから流れる呪いの曲を聞いてしまった者はメロディーを口ずさむようになり、次々と恐怖の根源が伝染していくという内容です。
呪いのビデオの貞子・呪われた家の伽椰子に対し、「ミンナのウタ」の高谷さなは呪いの曲を通して、呪いを拡散させ、人々を取り込んでいきます。
彼女が特徴は迫害や虐待といった悲劇的なバックボーンをもたず、極めてポジティブな理由から人々を巻き込んでいることです。高谷さなの夢は「自分の歌を、みんなに届けて、みんなを私の世界に惹き込むこと」。呪いのメロディーを聞かせ、高谷さなの手で殺すことで、その人は永遠に彼女の世界の中に閉じ込められてしまうのですが、そこに恨みつらみはなく、あくまで夢を実現するプロセスなのです。
恨みがないので、高谷さなを成仏させることはできません。彼女が満足し、夢を叶える時まで、高谷さなは止まりません。過去の名作に代表される幽霊のイメージを覆すインパクトのある思想とキャラクターの彼女はとても魅力的です。