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世界に絶望した元勇者の復讐劇!その果てにあるものとは...
魔王を倒し世界を救ったはずの勇者ラウル・エヴァンス。そんな彼を待っていたのは、私利私欲に走る権力者達による裏切りと、無残に殺された大切な人達の亡骸。
自らも処刑され、命か懸けて救おうとしていた世界に絶望した勇者は、女神から与えられた闇の力を以て裏切り者達へ復讐することを誓います。
かつて勇者だった頃の良心や倫理観、信念といったものは全て捨て去り、あらゆる手段を使って次々に復讐を実行していくラウルの姿は、狂気そのものです。しかし復讐対象であるキャラクター達もまた、そんなラウルに負けず劣らずのクズばかり。
魔王を倒し世界を救わんとする物語は、「救う価値のある世界」という前提の上に成り立っているのが、本作品を読み進めるとよく分かります。
また、随所に出てくる勇者時代のエピソードは、ラウルがいかにして闇の力を持つ復讐鬼へ堕ちたのか知るための、重要なピースとなっているのも見逃せません。
かつて魔王から世界を救った勇者が、救われた後の世界で非道な行いをしている人間(復讐対象者)を蹂躙する…おそらく「勇者」を題材にした作品の中で、最凶最悪なストーリーを展開している本作。
復讐に全てを懸けるラウルの行きつく果てはどこなのか、ラストを迎えるまで目が離せません!