最後まで行く

最後まで行くのレビュー・評価・感想

最後まで行く
5

岡田准一の情けなさと綾野剛の怖さが際立つ

本作は2014年に韓国で公開された同名の作品を、藤井道人監督がリメイクした作品です。
岡田准一演じる刑事の工藤祐次は、母の危篤のため急いで病院に向かうのですがその際に人を轢いてしまい、死なせてしまうところから話が始まります。
「死体の後始末をどうするか」の工藤のそわそわ感があまりにも挙動不審すぎるせいで、所々失笑することがありました。特に死体を霊安室に持ち込み、母親が入っている棺桶の中に入れて一緒に燃やそうとする場面に「罰当たりにもほどがあるだろう」と思わずツッコミを入れてしまいました。

一方工藤を追い回す、綾野剛演じる工藤が轢いた死体の行方を追う監査官の矢島貴之。彼は冷酷さがある警察官と思われますが、いきなりキレて殴り出すという恐ろしい一面を持つ男で、終盤では気が狂ったかのように笑い出す場面に恐怖しました。

物語は全体的にヒステリックなドラマということもあり、ハラハラする展開が多め。人間が追い詰められるとどのような行動を起こしてしまうのかが分かりやすく伝わり、その時の顔の表現が両者とも上手でした。それと工藤と矢島の一騎打ちの場面は見応えがあり良かったです。
しかし終盤は急ピッチで物語を締めようとしているのか、少しイマイチな終わり方だと感じてしまいました。本作がまだという人も、元の作品も知らないという人は是非比較しながらご覧になってください。

最後まで行く
8

全力疾走で駆け抜けるスリルなアクション映画!

この映画は、手に汗握る展開が多く、アクションや人物描写が魅力的な作品です。

そのため、 「緊張感のある展開が好きな方」「アクションが好きな方」「人物描写が好きな方」の3点に当てはまる方にオススメの作品です!

岡田准一演じる主人公の工藤は、汚職を働いたことがある刑事であり、道徳からは外れた行動が多い人物です。映画の冒頭において、ある交通事故を起こした事により、加速度的に物語が進んでいきます。

物事が解決したと思ったら新たな危機に直面し、それを何とか乗り切ると、また新たな局面に突入する。これの繰り返しなので、とにかく、ハラハラドキドキが止まりません!

それに加えて、カーアクションなど迫力のあるシーンも多いので、そのような映画が好きな人は映画館で観るのが良いでしょう。

この映画の秀逸な所は、途中からもう1人の主人公ポジションである、綾野剛演じる矢崎が主観になるシーンを挟んでおり、工藤と矢崎のそれぞれの立場で映画を楽しめる所です。

映画の中盤で矢崎が工藤に対してかなり乱暴に振る舞うシーンがあります。正直、このシーンで工藤に同情する人は多いと思います。ですが、矢崎が主観のシーンに切り替わった後、立場や境遇を理解すると、「そりゃキレたくなるわ笑」と、今度は矢崎目線で考える人が多くなると思います。

このような登場人物の対比による人物描写や、最後まで途切れない緊張感から、アクションが好きな人にはたまらない作品となっていますので、是非ご視聴ください!