最後まで行く

3gkakeru40490のレビュー・評価・感想

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岡田准一の情けなさと綾野剛の怖さが際立つ

本作は2014年に韓国で公開された同名の作品を、藤井道人監督がリメイクした作品です。
岡田准一演じる刑事の工藤祐次は、母の危篤のため急いで病院に向かうのですがその際に人を轢いてしまい、死なせてしまうところから話が始まります。
「死体の後始末をどうするか」の工藤のそわそわ感があまりにも挙動不審すぎるせいで、所々失笑することがありました。特に死体を霊安室に持ち込み、母親が入っている棺桶の中に入れて一緒に燃やそうとする場面に「罰当たりにもほどがあるだろう」と思わずツッコミを入れてしまいました。

一方工藤を追い回す、綾野剛演じる工藤が轢いた死体の行方を追う監査官の矢島貴之。彼は冷酷さがある警察官と思われますが、いきなりキレて殴り出すという恐ろしい一面を持つ男で、終盤では気が狂ったかのように笑い出す場面に恐怖しました。

物語は全体的にヒステリックなドラマということもあり、ハラハラする展開が多め。人間が追い詰められるとどのような行動を起こしてしまうのかが分かりやすく伝わり、その時の顔の表現が両者とも上手でした。それと工藤と矢島の一騎打ちの場面は見応えがあり良かったです。
しかし終盤は急ピッチで物語を締めようとしているのか、少しイマイチな終わり方だと感じてしまいました。本作がまだという人も、元の作品も知らないという人は是非比較しながらご覧になってください。