月の燃えがら

月の燃えがらのレビュー・評価・感想

月の燃えがら
8

切なさ5割、キュン5割

この漫画は、家出した高校生の千鶴が、夜の繁華街に迷い込み、ホストの恭太に出会うラブストーリーです。
かなりシリアスな内容を、ポジティブかつ、繊細に描いており、少女漫画は普段読まないな~という私も、ついついまとめ読みしてしまいました。
親からの性的虐待を受けて、心理的ダメージが大きいはずの千鶴が、恋をして前向きになっていく姿や、匿ってくれた恭太に段々懐いていく様子が可愛らしかったです。また、匿っていた恭太も、次第に千鶴が手放せなくなり、依存していくのですが、その様子が見ていてもどかしく、共感できる部分も多かったのが魅力の一つです。
主要キャラクター以外の描写もこだわっていて、例えば千鶴の母親は、シングルマザー時代にかなり苦労していたのにも関わらず、千鶴の為に自分を犠牲にしていたのが感動的で、涙なしでは読めませんでした。恭太の友達も個性的なキャラクターが多く、こんな友達欲しかったな~と羨ましく思う場面もありました。
ただ、家出や、誘拐について軽くみている感じがあるなという印象が少しあり、正義感の強い方などはあまり好きな描写ではないかと思います。
純粋な恋愛漫画としては100点満点で、千鶴と恭太の距離が段々縮まっていくのを、キュンキュンしながら楽しめました。

月の燃えがら
8

『月の燃えがら』の魅力

最初は好みの絵に惹かれて試し読みしてみたら、どハマりしちゃいました。まず主人公の女の子・千鶴ちゃんが可愛い!そして恭太くんかっこいい!
毒父親から逃れるため家出をして行き場のない千鶴ちゃんを泊めてくれたのが恭太くんで、それが2人の出会い。

最初恭太くんのことは「何この人?」って思ったけど、まだ学生で家出をしてた見ず知らずの女の子を家に泊らせてくれたり、なんだかワケありっぽいのに無理に理由を聞かずにいてくれたり。もしかしたら自分の立場が危うくなるかもしれないのに、千鶴ちゃんを匿ってくれたり… めっちゃいい人やん!
そして周りの人も優しい。周りの人たちの温かさや優しさに支えてもらいながら、お互いに苦難を乗り越えて成長していく姿にほっこり。

話が進むたびに千鶴ちゃん可愛い!恭太くんかっこいい!って思うけど、同時に父親に見つからないかハラハラドキドキします。2人の幸せな空間を奪わないでほしいと思いつつ、「このままだと本当の解決にはならない。これはいっときの幸せでしかないんだよな…」とも。

それは千鶴ちゃんも恭太くんも最初からわかっていること。2人はそれをどう乗り越えていくのか、ドキドキします。はやく本当の意味で、2人とも幸せになってほしい。