月の燃えがら

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月の燃えがら
8

切なさ5割、キュン5割

この漫画は、家出した高校生の千鶴が、夜の繁華街に迷い込み、ホストの恭太に出会うラブストーリーです。
かなりシリアスな内容を、ポジティブかつ、繊細に描いており、少女漫画は普段読まないな~という私も、ついついまとめ読みしてしまいました。
親からの性的虐待を受けて、心理的ダメージが大きいはずの千鶴が、恋をして前向きになっていく姿や、匿ってくれた恭太に段々懐いていく様子が可愛らしかったです。また、匿っていた恭太も、次第に千鶴が手放せなくなり、依存していくのですが、その様子が見ていてもどかしく、共感できる部分も多かったのが魅力の一つです。
主要キャラクター以外の描写もこだわっていて、例えば千鶴の母親は、シングルマザー時代にかなり苦労していたのにも関わらず、千鶴の為に自分を犠牲にしていたのが感動的で、涙なしでは読めませんでした。恭太の友達も個性的なキャラクターが多く、こんな友達欲しかったな~と羨ましく思う場面もありました。
ただ、家出や、誘拐について軽くみている感じがあるなという印象が少しあり、正義感の強い方などはあまり好きな描写ではないかと思います。
純粋な恋愛漫画としては100点満点で、千鶴と恭太の距離が段々縮まっていくのを、キュンキュンしながら楽しめました。