ジョジョの奇妙な冒険 Part9 The JOJOLands / ジョジョの奇妙な冒険 第9部 / ザ・ジョジョランズ

ジョジョの奇妙な冒険 Part9 The JOJOLands / ジョジョの奇妙な冒険 第9部 / ザ・ジョジョランズ

『ジョジョの奇妙な冒険 Part9 The JOJOLands』とは、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの第9部となる作品。キャッチコピーは「そして時は動き出す」。
ハワイのオアフ島を舞台に、15歳の少年ジョディオ・ジョースターが社会の仕組み(メカニズム)の中で大富豪になっていく姿を描いている。『ジョジョ』シリーズでは定番の設定である「スタンド能力」や、以前のシリーズに登場した人気キャラクターも登場し、連載開始と同時に大きな話題となった。

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『ジョジョランズ』仕組み(メカニズム)に当て嵌まるのはなに?

『ジョジョランズ』は仕組み(メカニズム)の頂点に立つという野望を秘めた少年が成り上がる物語。仕組みというのは現実世界でもジョジョ世界でもあらゆる創作物でも独自のルールや計算式や論理展開などで繰り広げられたり、チラチラと見受けられるものと考えられる。普遍的でどの場所時代環境でも発揮出来る仕組み(メカニズム)を身に付けられていたら超越者に等しいかもしれない。

現実世界においては紐解いていくことでどんどん力を付けていく魔法の領域に近づいているような「科学」、ファンタジー世界においては魔法のように近づく「魔術」。また、人を始めとした知的生命体の思考パターンや物理力学などに端を発する行動パターン、あるいは観測する者がいることにより変化する事象など解析すればそのものの辿る未来が見えたり、新たな潜在能力を発現させられたりするかも知れない。そういった意味ではある一定の法則性を導き出して力へと転用したのが、ジョジョ世界では「波紋」や「回転」、ひいては仕組みを解読して人工的に作られたアイテムや知恵・工夫によって編み出された技術「石仮面」「エイジャの赤石」「スタンドの矢」「シャボンに波紋の纏わせ」「波紋の糸伝線」「黄金回転比率に基づいて作成されたバックル」「ジャイロ家の鉄球」…挙げたらキリがない。あるいはそれらの技術や能力以外にも見えない力も、ある一定の規則で積み上げることによって更なる高みに向かうことが出来るものかもしれない。

それらの仕組みのある種究極形態(頂点)が、ボス達の到達した完璧な世界への切符である最終形態「究極生命体」「時を支配する」「何者にも脅かされない生活」「確実に起こると確定された未来」「吉良なるものだけを寄せる能力」「災厄を遠ざける能力」として登場していたり、主人公勢が至った「深仙脈波紋疾走・最後の波紋」「波紋増幅器による地球最大のエネルギー マグマ噴火Attack」「次代に善きものを託す黄金の精神」「動作や思考の力をゼロに戻すレクイエム能力」「正義の道・真実に向かおうとする意志」「男の世界・漆黒の意志」「この世の条理やあらゆるものを貫通し超えて行く無限の回転」などで表現をされていたかもしれない。その他に仕組みに関与しそうなものとして「円卓のナプキンの法則」「納得は全てに優先する」「各Lesson・Lesson5:遠回りこそ一番の近道だった」「全てを敢えて差し出した者が最後には真の全てを得る」などが作中で繰り広げられていて、こちらに関しても挙げだしたらキリがない(7部も好きなので真っ先に思い付いて書いてしまった)。

ジョジョの奇妙な冒険 第9部のジョジョランズより以前の第8部ジョジョリオンではあらゆるものに宿る呪いと祝福と等価交換という仕組み(メカニズム)に注目して攻防や物語が展開されていたことかと思う。ジョジョランズ8話までの内容であると「自然法則に則り所持者に金が集まるようになる溶岩」が登場していて、主人公が上手く扱えと託される。
ジョジョは日常の中に隠れている力を表現してその本質を利用・転用して自分の力に変えて運命を変えて行く側面があるように思えてくる。第9部の物語は更に深い普遍的な力に注目をしていくかと思うと、展開が気になる所だ。