陰の実力者になりたくて! / 陰実

陰の実力者になりたくて! / 陰実のレビュー・評価・感想

陰の実力者になりたくて! / 陰実
8

独特なシナリオに加え、主人公の天然さかつ計算高さがミソ

転生前の世界にて物心ついた時から、周りはヒーローやヴィランといった立ち位置のものに惹かれる中、この作品の主人公シド・カゲノー(転生前は影野実)はその中心人物達を影で助ける様な"影の実力者"に憧れていました。学校生活の裏では過酷な修行を積み、挙句の果てには核兵器にも優る未知の力を追い求め常識外れの修行に明け暮れました。疲労による幻覚をきっかけに起きたトラック事故により、魔法の概念が存在する世界へと転生します。その世界では10年間、転生前と変わらず実力を隠し修行の日々を送り、ある日修行と資金集めのために盗賊を襲ったことから本格的なシド・カゲノーの「陰の実力者ムーブ」が始まります。
襲った盗賊が保有していた"悪魔憑き"が発現した肉塊にシドは注目します。それに魔力を流し、魔力実験を施し、肉塊は本来の姿(金髪エルフの姿)を取り戻しました。彼女は自分を治してくれたシドに恩返しをしたいと申し出たところから、金髪エルフに「アルファ」と名付け、彼の中では作り話、現実には実在する仮説(非常にまどろっこしい話の噛み具合)をアルファに吹き込み、アルファと同じ悪魔憑きを発現させた者を助け、配下に加えながら、影の大きな組織になる「シャドウガーデン」とその重鎮「七陰」を結成させます。
ストーリーの中でもシドの立てた陰の実力者ムーブのための仮説が実際に起きている事象だと感じさせることは多く起きていますが、シドにとって作り話である以上その仮説と現実を擦り合わせることはしていません。そのため常に配下のもの達はシドが全てを知っている長の「シャドウ」と慕い、シド自身は自分を「シャドウ」と慕ってくれるいい配下という設定を忠実に守ってくれるいい子たちというなんとも不思議な感覚を覚えるアニメとなっております。

私自身、原作となる漫画や小説を見たことがないのでアニメ以上のことは知りませんが、アニメ放送後、スマホゲーム「陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン」をリリースさせています。こちらもアニメの中で主要人物である七陰の幼少期のストーリーをゲームオリジナルとして組み込んでいたり、お楽しみ要素がとても多いと感じています。

アニメ自体独特なストーリー性を持っていますが、その特徴が癖になり刺さりやすいと感じます。是非最後まで見てみてください!
アニメは2023年10月に2期が放送開始します!

陰の実力者になりたくて! / 陰実
9

主人公

主人公でもラスボスでもない陰の実力者になりたい影野実、彼はモブキャラとして徹し実力を隠してきた。
そんな影野はヒロイン「西の財閥の西野アカネ」がチンピラ2人に誘拐されたとき「スタイリッシュ暴漢スレイヤー」として姿を隠し、チンピラ二人をバールで(トンファーのように)圧倒する。
ある日、影野はトラックにひかれシド・カゲノーとして魔法の使える異世界に転生した。
彼は異世界でも陰の実力者として腕を磨く。
そんなさなか「アルファ」と名付けた少女にアドリブで話した作り話「ディアボロス教壇」が現実で起きていた。シド・カゲノーはその作り話通り「アルファ」が演技してると思い込み主人公の知らないところで偶然「ディアボロス教団」の狙いを阻止していく。

最初の「スタイッシュ暴漢スレイヤー」は正直何かの聞き間違いかと思った。
さて、作品は異世界転生ものとして内容は多少薄いかも知れないが、モブとしての哲学、陰の実力者としての哲学、その設定などが魅力かと思う。
主人公が意図せずに思いつきで言ったことが事実になり、その事実を主人公が知らずに解決していくかなりギャグ要素の強めな作品であり、厨二病心をくすぐるような物語だ。