SAND LAND / サンドランド / SAND LAND: THE SERIES

SAND LAND / サンドランド / SAND LAND: THE SERIES

『SAND LAND』(サンドランド)とは、未踏の水源を目指して砂漠化した世界を旅する元軍人と悪魔の少年の活躍を描いた、鳥山明による漫画作品。『週刊少年ジャンプ』誌上で2000年23号から同年36・37合併号にかけて連載された。
気候変動と天変地異により砂漠化した世界。悪魔の少年ベルゼブブは、ある日元軍人のラオという人間と出会い、彼と共に未踏の水源を探す旅に出立する。水源の独占を目論む人間の王と軍部の妨害を受けながらも2人は冒険を続け、やがて人間の過去の過ちと世界の秘密を知っていく。

SAND LAND / サンドランド / SAND LAND: THE SERIESのレビュー・評価・感想

SAND LAND / サンドランド / SAND LAND: THE SERIES
10

暑い時におすすすめ!スッキリ潤う傑作です

2023年に公開された、鳥山明の漫画のアニメ映画です。
過去のある不幸な事件が元で、ほぼ全域が砂漠と化したSAND LANDが舞台。貴重な水は国王が独占し、民はそれを言われるがままの高値で買わなければ生きていけず、貧困にあえいでいます。この世界に同居する魔物たちもまた渇きには勝てず、同様に苦しんでいました。
保安官・ラオはこの状況を打開すべく、手がかりの乏しい「幻の泉」の存在に賭け、魔物族の王子・ベルゼブブに会いに行きます。魔王の息子・ベルゼブブは国王軍を襲って水を奪い、魔物たちに分け与えていました。ベルゼブブは拒否しますが、父親・サタンに命じられ、従者シーフと共に3人で泉探索の旅に出ます。妙な敵や砂漠の魔物、自然の脅威に阻まれながらも、何だかんだで息の合ったチームになってゆく3人。一方初老の姿からは想像もできない戦闘能力と行動力を見せるラオはただの保安官ではなく、苛烈で悲しい過去を背負っていました。その過去の因縁が敵を呼び寄せ、クライマックスのバトルの作り込みは圧巻の一言。
砂漠のシーンが多い映画ですが、最後は爽やかに体感温度が下がり、心がバシャバシャ潤されます。見ればお分かりいただけると思います。
ラオ役の山路和弘さん、ベルゼブブの田村睦心さんなど、実力派のキャストも文句なしにピッタリですよ!

SAND LAND / サンドランド / SAND LAND: THE SERIES
7

鳥山明さんらしい作品でした

殴り合いシーンはありますが、人が死んだり、性的な描写の無いため、夏休みに子供に見せられる健全な作品です。ファミコンや『ドラゴンボール』初期に慣れ親しんだ世代には、懐かしい感じのする快活で笑いあり、でもキチンと作り込んだストーリー展開の少年ジャンプらしい作品でした。鳥山明さんらしいスタイリッシュな絵面やメカニックデザインと、豪華な声優陣で見ごたえもありました。客寄せのために、見目の良い若い芸能人に声を当てさせたりしてなくて、ホントに嬉しいです。本職の声優さん達の上手な演技のお陰で、存分に作品に没入できました。
音楽もオシャレで、OP・EDアニメーションもこだわりあって、美術作品としても素晴らしいです。昨今増えてきた、大人が見ることを想定した込み入った設定や、複雑な心理描写をする作品達に比べれば、今までどこかで見たような作品とも言えなくないです。これが新人作家の作品だったらそのように感じたと思いますが、大御所の鳥山明さん作品となると往年のスタイルが失われておらずむしろ喜ばしく感じました。戦闘シーンはやや長めですが、見せ場なので仕方ないですね。海外でも人気が出そうです。