涙活No1!心の底から溢れる感動の涙を...
CodaというのはChildren of deaf adults(聞こえない両親を持つ子供)の頭文字語である。
フランス映画「エール!」を英語版にリメイクし2022年に公開され、アカデミー賞で作品賞、助演男優賞、脚色賞の3部門を受賞したことに加え、助演男優賞については、ろう者の男性俳優として初の受賞であったことが話題になった。
主人公ルビー(エミリア・ジョーンズ)以外の家族全員が聴覚障害者。
その家族を演じたのも実際聞こえない俳優者たち。
キャスティングにこだわりメガホンを握ったのは若き実力派監督シアン・ヘダーだ。
家族の中で唯一耳の聞こえる主人公ルビー。
家族の耳となり家業を手伝い日々を過ごしている。
幼い頃喋り方が変だと揶揄われ、人前で歌う事が苦手に。
しかし歌う事が好きなルビーは高校の新学期になり合唱部に入部する。
顧問の先生はルビーの才能を認め音楽大学への進学を進めるが、耳の聞こえない両親は猛反対。
ルビーは物心ついた時から家族の耳となり通訳をし、家族はルビーを頼り、感謝し愛している。ルビーもまた、愛する家族のために頑張る。それがこの家庭に生まれ育ったルビーにとって至極自然で当たり前の事なのだ。
しかしルビーの進学や恋愛、そして支えてくれる先生との出会いなのどの経験を通して成長し、世界が広がり、やりたい事が出てきて自覚していく。
子供の自立、親の子離れ、家族の成長が障害の有無に関わらず多くの人々の心に響く。
ルビーは新しい道を見つけた後も家族を選ぶことに決めた。
兄のレオは“失せろ”という彼なりの言葉で送り出そうとする。母は子離れできずに娘を思い続けている。一方、父は娘を認め、その声を手で感じ取り、最後には背中を押してあげる。そんな家族の前で心で歌う事を教えてくれた先生の伴奏により完全に自然体でルビーが「Both Sides Now(#青春の光と影)」を歌う。
家族に届けるように、感謝を伝えるように手話をつけて、伸び伸びとまさに“あいのうた”を歌う。
障害を持つ人々の日常や仕事がリアルに描かれ、下ネタやケンカを生き生きと手話で表現する。
聴覚障害やヤングケアラーという繊細な問題も含んでいるがユーモアで沢山の音楽に包まれる感動的な作品である。