迷っている人に観てほしいミステリー映画
2020年に公開された本作『エノーラ・ホームズの事件簿』は、作家ナンシー・スプリンガーによる『エノーラ・ホームズの事件簿シリーズ』の原作です。
主人公はミステリー小説では有名なシャーロック・ホームズの妹エノーラ・ホームズ。
突如失踪した母と2人の兄の訪問によって、エノーラの日常は崩れ去ってしまいます。兄譲りの推理力で母の残した謎を解き明かそうとしますが、支配的な兄マイクロフトによって強制的に寄宿学校に送られそうになったエノーラは家を抜け出し、兄たちから逃走することを決心します。汽車に乗って街を抜け出そうとするエノーラは、車内で若きバジルウェザー・テュークスベリー侯爵と出会い、2人はある陰謀に巻き込まれていきます。
この映画は有名な私立探偵シャーロック・ホームズには妹がいたという新たな設定で物語が始まり、主人公エノーラが「第四の壁」を破って観客へ語り掛けてきます。「第四の壁」は舞台(フィクション)と観客(現実世界)を隔てる目には見えない境界線のことで、本作はエノーラが観客に問いかけてくるのでテンポよく話が進み、コミカルな雰囲気で子供も大人も観やすい作品になっています。
女性が家庭的であることや淑女らしさを強いられる時代に、革命家の母親から「誰かが選んだ道と自分が選んだ道どちらを歩むか選びなさい」と教えられていたエノーラは、兄に寄宿学校へ入れられそうになる時に最大の選択を迫られます。
機知に富むが世間知らずのエノーラは外の世界に出た途端、様々な選択肢と人生の岐路に立たされます。また言葉遊びが好きな母が付けた自分の名前エノーラ(Enola)が、独り(Alone)になることから、母がいなくなってから「自分は孤独なのか」と思う様になります。しかし冒険を通して独り(Alone)の意味に気づき、自身の未来を切り開こうとする姿に勇気をもらえる人もいるでしょう。
さらにこの作品の見どころの1つは、豪華キャストで構成されていることです。
主人公エノーラ・ホームズを演じるのは、イギリスの女優ミリー・ボビー・ブラウン(代表作: 『ストレンジャーシングス』 エル役)。
兄シャーロック・ホームズは、ヘンリー・カヴィル(代表作: 『マンオブスティール』 『スーパーマン』 クラーク・ケント役)。
マイクロフトは、サム・クラフリン(代表作: 『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』 フィリップ役)。
母ユードリア・ホームズは、ヘレナ・ボナム=カーター(代表作: 『ハリー・ポッター』シリーズ ベアトリックス・レストレンジ)と、有名作品に出演しているキャスト揃いです。
特に名高い探偵のシャーロック・ホームズをヘンリー・カヴィル演じるとあって、肉体美を誇るヘンリーのアクションにも期待が高まります。
そしてバジルウェザー・テュークスベリー侯爵役のルイ・パートリッジは、本作『エノーラ・ホームズの事件簿』が代表作の新人俳優ですが、端正な顔立ちからすでに多くのファンを獲得している様です。他にもイギリスの有名な実力俳優たちが出演しています。