哀愁しんでれら

哀愁しんでれらのレビュー・評価・感想

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哀愁しんでれら
7

少しずつ変化する姿に狂気を感じる

この作品は、見る人によって賛否両論分かれるタイプの作品だ。

主人公(コハル)に対して、序盤から一緒に住んでいた祖父が倒れたり、実家の自転車屋さんの店舗が火事になったり、長く付き合っていた彼氏に浮気されたりと不幸が連続で降りかかる。
そこから、夫になる男性(ダイゴ)と偶然出会い、結婚するまでは幸せの階段を登るようにスムーズに進んで良かった。
ダイゴの娘(ヒカリ)も、コハルのことを気に入り懐いた様子だった。

それから少しずつ周りで起こること、ダイゴやヒカリのことでコハルの様子がおかしくなっていった。
自分の作る弁当をヒカリが食べていないと勘づいたコハルは、おにぎりにお金やフィギュアを入れて弁当に詰めた。そして帰宅したヒカリに空っぽの弁当を持ちながら、おにぎりのことを聞くがヒカリは美味しかったと答える。
この辺りから、コハルがどんどん狂っていく様子が描かれている。
そんな中、ヒカリは学校で好きな男の子に構ってほしくていじめを自作自演するなど、メンヘラを発揮する。家でもコハルにわがままを言い、とにかく憎たらしくて見ているこちらがイライラするほど。

結末は個人的には、スッキリしない終わり方だと感じた。
少しモヤモヤが残ったが、いろんな考察ができるため、あえてそうしたのかもしれない。冒頭でも言ったようにこの結末から賛否両論分かれそうな作品だ。

哀愁しんでれら
8

結婚したら幸せってのは嘘。

不幸のどん底にいるときに素敵な王子様が現れて結婚したら、そこから怒涛の日々が…って話でした。
たしかにシンデレラは結婚して幸せに暮らしましたって話だけど、そんなの夢物語で結婚してからの方が大変だし、よく相手を知らずに結婚した場合はよくそうなのでしょう。
可愛らしい女の子が実は…ってところがありえなさそうでありうる話で怖かったです。そういう時、もし私ならどうするかとか考えてしまいました。
太鳳ちゃん演じる小春がとって行動はなんともびっくりですが、そういうことをしちゃうこともあるかもって思いました。それだけ妙な説得力があった気がします。最初はそういう人ではなかったはずなのに、徐々に壊れていって、ついには価値観も崩壊してしまったのでしょうか。追い詰められていく小春がなんともリアルで、見ていてゾワゾワしました。太鳳ちゃんの演技もすごいです。今まであまり彼女の演技って見てこなかったのですが、うまくてびっくりしました。
すごい話だけど、結構娯楽として描いていて面白かったです。娘役のCOCOもなんか雰囲気があって、役柄に似合ってました。ちょっと世にも奇妙な物語っぽい話なので同ドラマが好きな人なら気に入ると思います。