哀愁しんでれら

runamutayuki1のレビュー・評価・感想

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哀愁しんでれら
7

少しずつ変化する姿に狂気を感じる

この作品は、見る人によって賛否両論分かれるタイプの作品だ。

主人公(コハル)に対して、序盤から一緒に住んでいた祖父が倒れたり、実家の自転車屋さんの店舗が火事になったり、長く付き合っていた彼氏に浮気されたりと不幸が連続で降りかかる。
そこから、夫になる男性(ダイゴ)と偶然出会い、結婚するまでは幸せの階段を登るようにスムーズに進んで良かった。
ダイゴの娘(ヒカリ)も、コハルのことを気に入り懐いた様子だった。

それから少しずつ周りで起こること、ダイゴやヒカリのことでコハルの様子がおかしくなっていった。
自分の作る弁当をヒカリが食べていないと勘づいたコハルは、おにぎりにお金やフィギュアを入れて弁当に詰めた。そして帰宅したヒカリに空っぽの弁当を持ちながら、おにぎりのことを聞くがヒカリは美味しかったと答える。
この辺りから、コハルがどんどん狂っていく様子が描かれている。
そんな中、ヒカリは学校で好きな男の子に構ってほしくていじめを自作自演するなど、メンヘラを発揮する。家でもコハルにわがままを言い、とにかく憎たらしくて見ているこちらがイライラするほど。

結末は個人的には、スッキリしない終わり方だと感じた。
少しモヤモヤが残ったが、いろんな考察ができるため、あえてそうしたのかもしれない。冒頭でも言ったようにこの結末から賛否両論分かれそうな作品だ。