映画プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち

映画プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだちのレビュー・評価・感想

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映画プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち
9

映画オリジナルプリキュア誕生!女の子は誰でもプリキュアになれる!

今でこそ数世代の異なるシリーズでそれぞれに面識があるのは珍しくなくなったプリキュアですが、一作目からの数年間は作品毎の世界観があり独立性が確保されていました。毎年春頃に公開された「オールスターズ」も、始まりは周年記念的なお祭り企画としてあくまでも番外編のつもりで製作されましたが、内外の高評価により継続して製作される事となり、結果参加するプリキュアの人数も増える為そのセリフや活躍シーンの割り振りだけで尺を取られてしまう懸念が出てきました。その為今作ではプリキュアではない一般の少女・あゆみを主人公に据え、彼女と謎の生物フーちゃんとの交流と葛藤を軸にお話が進む形にすることで分かりやすいストーリーになりました。フーちゃんとはプリキュアが倒した悪意の塊・フュージョンがバラバラになった一欠片であり、あゆみの心の悪意に反応して彼女を傷つける対象を飲み込み消し去る能力を持つ怖ろしい存在です。ふとあゆみが漏らした「全部無くなればいいのに」を曲解し、彼女を頭ごなしにしかった母親を消してしまうシーンは、テレビでも出来ない表現でなかなかゾッとします。今作に置いてプリキュアはフーちゃんに思いを伝えたいというあゆみの願いを叶える為の「露払い」であり、勇気を出して歩む彼女を後押しし守る為にフュージョンと戦います。そしてプリキュアをかばいフュージョンに取り込まれたあゆみがフーちゃんへの思いを届けたいと強く願った時、奇跡が起こりあゆみは新しいプリキュア、「キュアエコー」へと変身しタワーの先端にいるフーちゃんと再会するのです。キュアエコーは戦う為に変身したのでは無く思いを伝える為に願いの力だけで変身しました。これはプリキュアになりたい多くの子どもたちへのエールであり、また、夢の実現への後押しでもあると思います。キュアエコーはフーちゃんに感謝の言葉を伝えると、元のあゆみに戻りますが、彼女は間違いなくプリキュアの一人であり、多くの子供たちの夢そのものです。

映画プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち
8

感動しました。

プリキュアに憧れるシャイな女の子「あゆみ」が、最終的にプリキュアになれるというのが素敵でした。(劇場版限定ですが。)しかも、友達を助けるためにプリキュアになったというのが感動的でした。その友達というのは、言ってしまえば世界を破壊する悪者「フュージョン」の一部だったわけですが、弱っているフュージョンを助け、次第にお互いを想いあっていくのがとてもほっこりします。その想いが強すぎてフュージョンは暴走してしまうわけなのですが、それをプリキュアの協力を得て、そして自分自身がプリキュアになって止めに行く姿に感動しました。1時間ちょいという短い上演時間ではありますが、「友達を救いたい」というあゆみのキャラクターにブレが無く、筋が通っていて物語性もバッチリです。声優に能登麻美子さんやその他有名声優さんを多数起用しており、豪華だなという印象があります。
劇場版限定ヒロインということで物語はあゆみを中心に話が進んでいくのですが、戦闘シーンでは当時の現行だった「スマイルプリキュア」を中心に、歴代のプリキュアが続々登場します。歴代の子達のセリフが少ない、という意見もちらほら耳にしますが、アクションシーンはがっつり戦っているので見応えはあると思います。個人的には、「ふたりはプリキュア Max Heart」の3人が、街に突っ込む巨大な船を食い止めるシーンが好きです。登場の仕方が最高にかっこよくて見応えあり。