映画プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち

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映画プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち
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映画オリジナルプリキュア誕生!女の子は誰でもプリキュアになれる!

今でこそ数世代の異なるシリーズでそれぞれに面識があるのは珍しくなくなったプリキュアですが、一作目からの数年間は作品毎の世界観があり独立性が確保されていました。毎年春頃に公開された「オールスターズ」も、始まりは周年記念的なお祭り企画としてあくまでも番外編のつもりで製作されましたが、内外の高評価により継続して製作される事となり、結果参加するプリキュアの人数も増える為そのセリフや活躍シーンの割り振りだけで尺を取られてしまう懸念が出てきました。その為今作ではプリキュアではない一般の少女・あゆみを主人公に据え、彼女と謎の生物フーちゃんとの交流と葛藤を軸にお話が進む形にすることで分かりやすいストーリーになりました。フーちゃんとはプリキュアが倒した悪意の塊・フュージョンがバラバラになった一欠片であり、あゆみの心の悪意に反応して彼女を傷つける対象を飲み込み消し去る能力を持つ怖ろしい存在です。ふとあゆみが漏らした「全部無くなればいいのに」を曲解し、彼女を頭ごなしにしかった母親を消してしまうシーンは、テレビでも出来ない表現でなかなかゾッとします。今作に置いてプリキュアはフーちゃんに思いを伝えたいというあゆみの願いを叶える為の「露払い」であり、勇気を出して歩む彼女を後押しし守る為にフュージョンと戦います。そしてプリキュアをかばいフュージョンに取り込まれたあゆみがフーちゃんへの思いを届けたいと強く願った時、奇跡が起こりあゆみは新しいプリキュア、「キュアエコー」へと変身しタワーの先端にいるフーちゃんと再会するのです。キュアエコーは戦う為に変身したのでは無く思いを伝える為に願いの力だけで変身しました。これはプリキュアになりたい多くの子どもたちへのエールであり、また、夢の実現への後押しでもあると思います。キュアエコーはフーちゃんに感謝の言葉を伝えると、元のあゆみに戻りますが、彼女は間違いなくプリキュアの一人であり、多くの子供たちの夢そのものです。