正義感の暴走
2019年2月に公開されたデンマーク発のワンシチュエーションサスペンス映画。アメリカのレビューサイト「ロッテントマト」での評価が、満足度100%という驚異の話題作です。
主人公は悲しい過去を持ち、警察官を退いた緊急通報司令室のオペレーター。その主人公が「誘拐された」という女性からの1本の通報を受けて、事態が展開していきます。
主人公は電話のみで、誘拐されたという彼女を救い出すことはできるのか。最後まで展開が読めないハラハラドキドキの内容になっています。
登場人物が少なく舞台はほぼ司令室という内容ですが、88分という短めの上映時間の間はラストまでノンストップで感情が動きっぱなしでした。
人の思い込みは怖い。「善良な人間が自分の物差しで正しい事をしてると思い込むと、その善意や正義感が悲劇を生むこともあるんだ」ということを植え付けられた印象深い作品です。
人は他人を表面だけの情報でレッテルを貼り、自分の物差しであの人はこうだと思い込みがち、それも1度思い込んだらなかなか覆すことは難しいです。
それは「自分は正しいことをしてきた」という善良な人間ほど、自分を疑うことを忘れてしまうのではないでしょうか。
それは仕方のない事ですが、善意や正義感は暴走したら止まらないのが怖いという、人間のもどかしさを味わった作品でした。