釈迦坊主

釈迦坊主のレビュー・評価・感想

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釈迦坊主
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時代が生んだ多才すぎる異色のラッパー-釈迦坊主

「釈迦坊主」というラッパーを皆さんはご存知でしょうか?釈迦坊主は1992年、和歌山県出身のラッパーで、ビートメイカー兼ラッパーです。作詞、ビート作成だけでなく、ミックス、マスタリングまでをすべて自分の手で行う非常に多才なラッパーです。このように、一つの音楽を全て自らの手で仕上げるミュージシャンは珍しく、その才能とセンスに目を惹かれます。

そんな彼の楽曲の魅力といえばいくつか挙げられます。その中でも釈迦坊主ファンが魅了される点は彼の生み出す独特な世界観、雰囲気、色調といったところでしょう。
特に彼の世界観がよく反映されている曲は”Thanatos"でしょう。2018年1月17日にリリースされたこの曲はテクノポップ系でありながら不気味なビートに、聞き心地の良い英語混じりのフローが乗せられていて、日常とかけ離れた異世界に誘われる感覚を覚えます。このタイトルの”Thanatos"とは、ギリシャ神話に登場する「死」そのものを司る神、タナトスに由来していて、彼の神秘的な声のイメージと非常にマッチしています。彼の魅力はこの世界観に留まらず、その聞き心地の良い英語混じりのフローにもあります。この特徴がとく出ている曲は"a human 13"という曲です。2019年1月13日にちにリリースされたこの楽曲は、Iida Reoというラッパーとの合作となっています。曲の前半はゆったりとしたフローが続いて不安感を煽るような曲調ですが、中盤からは支離滅裂な日本語を散りばめて加速し、歌詞があっても聞き取りにくいようなフローに変化します。しかしこの違和感や非日常性が中毒性を孕んでいて、何度も聞き返したくなってしまいます。
さて、ここまで釈迦坊主と彼の楽曲の魅力について紹介しましたがいかがでしたでしょうか。いつもと違う、非日常的な世界観に飲み込まれてみたいという方は彼の楽曲を聴いて見ることを強くお勧めします。私と一緒に釈迦坊主沼にハマりませんか?

釈迦坊主
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日本のマンブルラップの代表

釈迦坊主は、Tokio Shaman Records所属、1992年9月1日生まれ、和歌山県出身のラッパーです。
自身でも、「人生のほとんどがゲームと歌舞伎町」と語っているように、歌舞伎町でのホスト経験と幼少期からのゲーム体験を歌詞に歌い上げるものが多いです。曲調はサイケデリック音楽に影響を受けているものが多いように感じられ、そこに自身のルーツともいえるゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズの世界観からの影響もありどこかファンタジー的で不思議な雰囲気の楽曲が多いです。
ラップだけでなく、トラックメイク、マスタリングまで自分でこなすという多彩な人物で、その多彩さや独特の世界観で多くのファンを獲得しています。
2018年11月に1stアルバム『HEISEI』を発表して以降、自身の楽曲に加え様々なアーティストとともに精力的に活動しています。自身でTOKYO SHAMANというライブを開催しており、毎回満員になるほどの人気イベントとなっており、日本語ラップに新しい風を吹かせるような存在となっています。 おすすめの楽曲「iPhone9 ft.OKBOYS Dogwoods」「loess」 「Mandala loop」など。