スター・トレック

スター・トレックのレビュー・評価・感想

スター・トレック
7

エンタープライズと乗組員たちの魅力で見せる

1960年代に放送を開始し、今なお人気を博しているSFの名作のリブート版。
ヒットメーカー、J・J・エイブラムスの手になる本作は旧版の設定を引き継ぎながら、大胆な刷新も交えた新解釈の「スター・トレック」として現代に蘇った。
この監督の作品の特徴である映像の美しさは息をのむほどで、キラキラと輝くような航宙艦を見て、胸が熱くなる旧作ファンも多いだろう。
新たにスター・トレックの世界に触れるファンにとっては迫力のあるアクションシーンも魅力だろう。
キャラクターも現代風に取っつきやすい造形になっている。
例えば、ウフーラという女性キャラクター。
旧作では、アメリカで初めて連続ドラマのレギュラーとなった黒人女性で、可愛らしく大人しい性格として描かれていた。
今作では勝ち気で活発、自分の能力に自信を持った強い女性になっている。
とんがり耳で有名なスポック副長は、旧作では恋愛とは縁遠い存在だったが、本作ではウフーラの恋人である。
テンポの良いストーリーラインだが、展開のスピードが速すぎて、特に新しい観客にとっては筋が追いきれない部分があるかもしれない。
旧作ファンにとっては何度も観て細かいこだわりを発見していく楽しみとなるだろうが、単なるハリウッドアクション大作とだけ取られる可能性も否定できない。
新ファンがリブート以前の過去作に手を伸ばしたくなる仕掛けは少ないように感じる。
ともあれ、新たに命を吹き込まれたエンタープライズ号の処女航海は、ダイナミックなSFの魅力を感じたい者にはうってつけの1本だろう。

スター・トレック
8

新たにシリーズリブートされたSF映画連作の記念すべき1作目『スタートレック』

『スタートレック』は2009年に公開された米国のSF映画で、監督はJ・J・エイブラムス、脚本はロベルト・オルチとアレックス・カッツマン。映画版『スタートレック』の第11作目であり、新しい配役陣で描かれたテレビ版『スタートレック』の主要人物を登場させるリブート版シリーズの1作目でもあります。
この作品はジェームズ・T・カーク(クリス・パイン)とスポック(ザカリー・クイント)がUSSエンタープライズ号で惑星間連合の存在を脅かす未来からやって来たロミュラン人のネロ(エリック・バナ)と戦う過程を描いています。この物語は、オルタナティブな現実で生起していることになっていて、その理由というのはネロとオリジナルのスポック(レオナード・ニモイ)の両者がタイムトラベルをしたためです。オルタナティブなタイムラインという設定はリブート版の連作を既に確立された前映画版シリーズの制約から解き放つとともにオリジナル作品の要素を保持するために採用されました。
『スタートレック』(2009年)は映画批評家から評価されました。評価集計サイト「ロッテントマト」は好意的な評価のコンセンサスを以下のように記しています。「『スタートレック』は昔の連作映画が持っていたアクション、ユーモア、強烈な筋書き、ブリリアントなビジュアルを蘇らせて従来からのトレッキーも新しいファンも同様に満足させるだろう」と。