彼女(映画)

彼女(映画)

『彼女』とは、中村珍が描く漫画『羣青』を実写化した2人の女性の逃避行を描くロードムービーである。裕福な家庭に生まれ育った自由奔放なお嬢様である永澤レイは、壮絶なDVに苦しむ篠田七恵のために彼女の夫を殺害する。居場所を失くした2人はそれぞれの罪に苦しみながらも大切な人との時間を守るために逃避行に出る。監督は廣木隆一が務め、ダブル主演である水原希子が永澤レイを、さとうほなみが篠田七恵を演じた。水原とさとうの身も心も曝け出した演技が魅力の作品である。

彼女(映画)のレビュー・評価・感想

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彼女(映画)
8

LGBTを特別なものとしない、リアルで冷たくて温かく、新たな価値観を生み出した作品。

Netflixオリジナル映画「彼女」について紹介する。
この映画は、性別の違和感などをまるで感じさせない、主人公の深い愛情が描かれる名作品である。そしてこの作品は18禁で、暴力的や性的表現を含む映画であり、Netflixだからこそ描くことができたリアルで切実な物語を描いているという部分が魅力の理由だ。
美容クリニックの医者として働いていた、主人公レイがある日、殺人を犯す。というところからストーリーは始まる。
殺人の動機は、DVをしていた夫から七恵を守るためであり、七恵はレイが片思いをする相手だった。だが、七恵は異性愛者であり、レイは学生の頃からの七恵への片想いを叶える事はなかった。そして、殺人をきっかけに10年越しに再会する。
LGBTについては、寛容になりつつはあるものの、日本ではまだ珍しいものである。
セクシャリティに愛情の深さは関係なく、特別ではないのだというメッセージが込められている。愛の形に決まりはなく、不自然なことでは決してないのだ自然と思わせる魅力がある。
今後の映画界において、LGBTの認識に大きく影響を与えた映画と捉える事ができる。
「彼女」は主人公たちの愛情と友情を描く、新感覚な魅力がある。