浅田家!

浅田家!のレビュー・評価・感想

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浅田家!
10

心温まる家族写真

この作品は、実在する1人の写真家が家族を巻き込んだユニークな写真から始まる心温まる物語です。
消防士やバンドマン、レーサーや大食い選手など、家族の各々やりたいことをコスプレして撮影するという何ともユニークな家族写真。
とある賞を受賞したことがきっかけで、日本各地から家族写真を撮影してほしいと依頼が入るようになります。

仕事も順調に入ってくるようになった頃、東日本大震災が起こりました。
現地に向かい、津波で流されて泥だらけになった写真を1枚1枚綺麗にしていく中で、「自分自身に何が出来るのか」自問自答しながらも前に進む姿は心に突き刺さるものがあります。
綺麗になった写真を見て喜んで帰る被災者を見て、再びカメラに向き合う主人公が、とある1人の少女に出会います。
「津波で父親を亡くしたけれど、家族写真を撮って欲しい」と言われるのです。
その願いを叶えるべくシャッターを切る迫真の演技には、引き込まれずにはいられません。

沢山の人との出会いや家族の存在。
大切な人を亡くしながらも前向きに生きようとする人達を写真に納める主人公の姿に熱くなりつつも、見終わった後には、優しい気持ちになれる作品だと思います。
震災というテーマも盛り込まれていますが、辛く苦しいというより、自分の周りにいる人達を大切にしたくなるような内容になっています。

浅田家!
9

心がほっこりする映画

コロナが落ち着いた時期にやっと観に行けた映画です。
その高揚感とも相まって、余計に心がポカポカになりました。
序盤は家族のコスプレ(笑)がほとんどで、ポップな軽い映画かと思いますが、
途中からは東日本大震災にスポットを当て、とても考えさせられる内容になっています。
普段家族写真を撮る事はなかなかないですが、この映画を観たらたまには撮らないとなぁと思えます。
家族の大切さ、今ある幸せの大切さ、自分がやらなければいけない事を考える大切さ、色々感じさせてもらえました。
二宮くんの映画はよく観に行きますが、やはり演技がとても上手です。
浅田家では、ダメな弟をとてもコミカルに、かと思えば素晴らしい写真家の役をとても自然に演じています。
アカデミー賞最優秀助演女優賞をとった黒木華ちゃんの、二宮くんの彼女役もとても可愛かったです。
二人の何とも言えない距離感が素敵だなぁ、と観ていて癒されました。
「母と暮せば」でも恋人役をやっていて、二人共賞をとりましたし、あのコンビはとても素晴らしいと思います。
ぜひまた共演していただきたいです。
私が一番好きなシーンは、政志とお父さんが海の所で話すシーンです。
頑張り過ぎず、ゆっくりでもいいから、なりたい自分に少しでも近づければいいな、という気持ちにさせてくれます。

浅田家!
7

感動作でした!

感動作品です。写真って素晴らしいなって改めて思わされる作品でした。記憶が残るということが、これ程人の支えになるのかと思いました。これから生きていて何が起こるかわからないし、日常のどんな些細な瞬間でも、写真を撮っておいて損はないなと思いました。
震災が題材にはなっているけれどそれを泣ける感動物にしているのではなく、家族って素晴らしい、写真って素晴らしいということをただストレートに伝えている作品です。浅田家を取り巻く登場人物たちもみんなあたたかくて、素晴らしい人達でした。自分一人では、夢を叶えられなくて、周りの人達がいてこそ叶えられるものなんだなということが見てて伝わってきました。また、写っている人だけではなく撮っている人の描写も多く、そこが新鮮でした。撮られている人の表情だけじゃなくて、撮っている人の愛情なども伝わってきて、終盤で二宮さんがカメラのシャッターを切りながら涙を浮かべるシーンはもらい泣きしました。重い作品ではなく、コミカルなシーンもあって面白いので楽しんで観れると思います!家族写真なんて照れくさいなと思っている人でも、この作品を見たらやっぱり撮りたいなと思えると思います。

浅田家!
8

家族は生き甲斐

笑えて泣ける家族物語。
『チチを撮りに』や『湯を沸かすほどの熱い愛』、『長いお別れ』の中野量太監督作。
この映画もやはり良作であった。

専業主夫の章、看護士の順子、真面目に働く長男の幸宏。
そんな家族に見守られながら、プロの写真家を夢見る次男・政志。
政志は専門学校卒業後も冴えない生活を送り、家族を心配させていた。
そんなある日、政志にカメラを教えた父があることを言った。
「昔、消防士になりたかった。」
そこで政志は、父に消防士のコスプレをさせて写真を撮る。
母は“極妻”風、幸宏は"レーサー"、家族の“なりたかった夢”を政志は写真に収めていく。
それからも様々なシチュエーションでコスプレをして、ユニークな家族写真を撮り続けていった。
家族皆で撮った数々の写真。
これで自信が付き上京したが、現実は甘くなかった。
面白さは認められるも、「これってただの家族写真だよね?」と厳しい評価。
心が折れそうになる政志だったが、そんな彼を支えたのが先に上京していた幼馴染みの若奈だった。
それから個展を開き、写真界の生えある賞を受賞。
夢だったプロの写真家になることができ、順風満帆だと思っていた矢先、あの大地震が起こるのだった。
ユニークな浅田家の生き様を是非ご覧ください。