プリズナーズ

プリズナーズのレビュー・評価・感想

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プリズナーズ
9

犯人にたどりつく、狂気のサスペンス

ヒュー・ジャックマン主演のサスペンススリラー。
田舎町に住むケラー・ドーヴァー(演:ヒュー・ジャックマン)は、ある日、隣人の一家とともに感謝祭を過ごしていた。そんな中、隣人の息子と自分の娘がいなくなってしまう。
誘拐された恐れがあると家族は警察に通報し、事件を担当するデビット・ロキ刑事(演:ジェイク・ギレン・ホール)は捜査の過程でアレックスという知的障碍者にたどりつく。一方、父親であるケラーもアレックスにたどりつき、警察とは別に独自の捜査を進める。
見過ごしていた多くのものが一つにつながり、狂気的とも思えるケラーの行動が、やがて真実にたどり着く。
序盤からずっとスリリングな展開が続き、予想できない犯人が分かった時の衝撃は、名作といえる、価値のある恐怖を覚える。多方面から映像化された事件の進捗が、より緊迫感を演出していた。
ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレン・ホールと、名俳優二人の共演も非常に見どころとなっており、さすがという迫真の演技が感じられる。
ストーリーとしては、ケラーの父親としての正義感、ロキ刑事の警察官としての正義感、どちらも理解できて、或いは比較できないが、ひとりの犯人にたどりつく上で類を見ない、至高のサスペンス。

プリズナーズ
8

人って恐ろしい。

ジェイク・ギレンホールも好きだし、ヒュー・ジャックマンも好きだから見たけど、怖すぎる映画でした。
アレックスが拷問を受けているところなど見ていられません。ケラーがしたことは許されることではないと思いつつ、子を持つ親としては彼の気持ちも分かりました。そういう大義名分があると人は恐ろしくなれるのだなというのを痛感しました。
その一方、警官のロキは子どもたちのことを心配し、犯罪を嫌っていてもそういう一線は超えないところがあって、ロキとケラーの対比が見ていて面白いです。ロキがいろいろ見つけていたヒントが後に犯人につながるところも面白かったです。
この映画の見どころはケラーが一線を越えてしまうところ、人はある目的のために残酷になれるということ、そしてケラーのやってることに疑問を持ちながらもそれを許してしまう、もう一人の被害者の親という人としての弱い部分を見せることだと思いますが、推理要素もよかったと思います。また、拷問を受けるアレックス役のポール・ダノのすごくうまくて、オドオド感が本当に犯人じゃないようにも見えるし、犯人ぽくも見え、どっちなのかなかなか分からなかったです。
脚本、役者ともに素晴らしい作品だったと思います。

プリズナーズ
8

人間は怖い。

ジェイク・ギレンホールとヒュー・ジャックマン共演で、なんか濃ゆい2人だなと思ってました。見てみると、だいぶ怖かったです。娘のためだとどんどん狂気に陥る父親が怖かったです。ひどいとは思いながら、気持ちが分からなくもなかったから余計にタチがわるいです。ああ、私にも嫌な心があると見せつけられた気になりました。見ると暗い気分になります。雨とかの場面も多く、画面も暗くて、その演出が陰気さをさらに引き立てているような気がします。たしかに幼女誘拐だなんてひどい話だし、その犯人は憎いです。でも、絶対犯人だともいえないのになあと思いました。こういうのを見ると、ほんと暴力ってエスカレートしていくんだなと感じます。一般市民に対して、警察はルールもあるし、怪しいと思っても好き勝手に動けないから大変だなあと思います。見ていてちょっとイライラしました。聖書や神話がモチーフだと聞いていたけど、それはよくわかりませんでした。やっぱり洋画を見るにあたってはちよっと宗教のこと勉強したほうがいいのかもしれません。思ったよりも陰気で、ちょっと見ていられませんでしたが、心霊現象とは違う怖さがあって、怖い映画が好きな人におすすめです。