サヨナラまでの30分

サヨナラまでの30分のレビュー・評価・感想

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サヨナラまでの30分
10

30分の間だけ入れ替わる

亡くなったはずのミュージシャンのアキ。
しかし、彼は自分残したカセットテープを再生する30分だけ、颯太の身体を借りて、この世に蘇ることが出来る。
アキが死んでバンドは解散し、恋人のレナはピアノを辞め、アキとの思い出に苦しんでいた。
30分だけこの世に戻ってこれる、という発想が面白い。
身体を貸している颯太も、アキの影響を受け、音楽にのめり込んでいくのだ。
未練を残してあの世には行きたくない。
そんなことを強く感じさせる映画だ。

サヨナラまでの30分
8

音楽を続けたかったよね

いい話でした。ウォークマンを拾ったことで、30分だけ、ウォークマンの持ち主で死んでいるアキと入れ替われることになった颯太の話なのですが、アキがまたバンドを始めたいと元メンバーとか元メンバー且つ恋人に会いに行って、音楽始めたりして、バンド映画が好きな私にはまりました。やっばり、バンドっていいなと思います。友達でもあるメンバーが亡くなってて、バンド続けられないよねとも思うし、音楽をもっと続けたかったろうに死んでしまったアキの無念さも伝わりました。また人付き合いが苦手だから、そこんとこアキに代わってもらってラッキーとか思う颯太の気持ちもすごいわかりました。私もできれば誰かに変わってもらいたいです。二人がうまい具合に共存していて面白かったです。なんか、ちょっとわかりにくいところとか、ここに持っていきたいがための展開とかもあるなとは思いました。まず、ウォークマン拾うかな?と思います。なんか、漫画とか世に奇妙とかだと、急にきれいなウォークマンが現れてみたいな感じで話が進むと思うのですが、汚い、どう見ても捨てられているウォークマンだったし、拾いますかね。気になりました。でも、全体的にはいい話で泣けてしまいます。

サヨナラまでの30分
8

切なく、素敵な映画だった。

バンドの話だから、歌が上手というか、うまさがないといけないなと思っていましたが、真剣佑も北村匠海もどちらもすごく歌がうまくてびっくりしました。これならすごく説得力があります。北村匠海さんは、颯太のときと、アキのときがあるわけですが、ちゃんと演じ分けててすごいです。なんか目が違う感じがしました。アキ役の真剣佑は目がとてもするどくて、それが魅力的なのでその目つきをかもしだせるとは、さすが役者さんです。
志半ばで亡くなってしまったアキも、最愛の恋人を亡くしたカナもどちらもかわいそうだし、それなのにバンドを続けようというのも酷なのかもしれません。でもあの歌を残したいとかバンドはまだ続けたいって気持ちもわかるし、とても切ない話でした。颯太は最初、人と付き合えない、自分には何もないみたいに思っていたのに、バンドの練習に参加するようになって、自分も歌を作ったりして、眠っていた才能が開花するところがとてもよかったです。
その時のアキの気持ちを思うと、それはとてもつらいけど、アキだっていつまでもいられないのはわかっていたかもしれません。もちろんアキがいたからできたバンドです。アキのことを忘れるわけではないと思います。でも、新しいバンドも応援したくなりました。切なく、そして前向きな話でおもしろかったです。