サヨナラまでの30分

3k4o3manのレビュー・評価・感想

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サヨナラまでの30分
8

切なく、素敵な映画だった。

バンドの話だから、歌が上手というか、うまさがないといけないなと思っていましたが、真剣佑も北村匠海もどちらもすごく歌がうまくてびっくりしました。これならすごく説得力があります。北村匠海さんは、颯太のときと、アキのときがあるわけですが、ちゃんと演じ分けててすごいです。なんか目が違う感じがしました。アキ役の真剣佑は目がとてもするどくて、それが魅力的なのでその目つきをかもしだせるとは、さすが役者さんです。
志半ばで亡くなってしまったアキも、最愛の恋人を亡くしたカナもどちらもかわいそうだし、それなのにバンドを続けようというのも酷なのかもしれません。でもあの歌を残したいとかバンドはまだ続けたいって気持ちもわかるし、とても切ない話でした。颯太は最初、人と付き合えない、自分には何もないみたいに思っていたのに、バンドの練習に参加するようになって、自分も歌を作ったりして、眠っていた才能が開花するところがとてもよかったです。
その時のアキの気持ちを思うと、それはとてもつらいけど、アキだっていつまでもいられないのはわかっていたかもしれません。もちろんアキがいたからできたバンドです。アキのことを忘れるわけではないと思います。でも、新しいバンドも応援したくなりました。切なく、そして前向きな話でおもしろかったです。