「惜しいなぁ」、そう思わずにはいられないアニメ
キャラクターは悪くないです。むしろかなり良いです。
主人公のまどかが守りたい人達と世界が具体的に描かれているのも、好感がもてると思います。健全な明るさが非常に可愛らしく、声優の初々しい演技と相まって、好きな人はハマるキャラだと思います。
ランは、まどかに対する忠犬っぷりが微笑ましく、そしてドジっ子属性含め色々とポンコツ気味なのが可愛らしいです。「腹に一物ならぬ腹にメモリアを抱えるムギナミのしたたかさあってこそ際立つ、ランのポンコツ具合が魅力的」と言えなくもなく、そういう意味ではまどか、ラン、ムギナミの関係性は実によく考えられていると思います。
そう思えるからこそ、なんだかスケールだけはやたらデカいSFもどきの世界に飛んでいってしまったような、本作に対するガッカリ感が凄まじいです。
敵が攻めてこようとピンチに陥ろうと、キャラクターはその個性を死なせない。日常時とほとんど変わることがないのです。これは、他作品ではあまり見られないのではないかと思います。
シリアスな状況で不自然なほど通常営業なキャラクター間の会話はかえって自然で、その奇妙な空間こそが本作の魅力なのだと思います。
そのキャラクターの面白味を半減させてまでストーリーを中心にもってくる必要は、なかったように思います。ストーリーの土台である世界観や世界情勢の設定はあまりにも不透明なので、全然ストーリーが頭に入ってこないです。