黒い司法 0%からの奇跡 / Just Mercy

黒い司法 0%からの奇跡 / Just Mercyのレビュー・評価・感想

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黒い司法 0%からの奇跡 / Just Mercy
10

【実録】アメリカの黒人差別問題に一石を投じる映画。現代のBLM問題の根源が非常に根深いものであると思い知らされる。今見るべき映画の代表作。

証拠の捏造や隠ぺい、司法取引による証言の捏造、刑事や検察による黒人というだけで無実の罪を着せられ、再審請求もまともに取り扱ってもらえない黒人に対する偏見に満ちたアメリカ社会。アメリカの司法制度に対し、弁護士のブライアン・スティーブンソン(マイケル・B・ジョーダン)が貧困者や黒人が偏見なく、法の下に平等に立ち向うべく尽力する。

新米弁護士ブライアンは、アラバマ州の刑務所で死刑囚ウォルター・マクミリアン(ジェイミー・フォックス)と出会う。彼の面会で、何もかも諦めた立ち振る舞い弁護士に対する嫌悪感、心を閉ざしたマクミリアンを調べるうちに、彼が冤罪であることを突き止める。様々な証拠や証言を集めていくうちに重要証拠となったラルフ・マイヤーズ(ティム・ブレイク・ネルソン) の証言さえも偽証であることを見つけ出し、再審請求へと漕ぎつけ、マクミリアンに希望の光が見えてくる。
しかし裁判官は、偽証した証拠としては不十分とし再審請求を棄却してしまう。そして、マクミリアンは再度絶望に突き落とされることになる。結局のところ、どのような証拠を提出しようと、地元の警察や検察の妨害に阻まれ、再審請求を勝ち取ることは非常に困難なのであった。
そしてブライアンは、アラバマ州最高裁判所へ控訴。そしてTV番組でも、事件の流れを放送した後、最高裁判所は再審を行い、検察は起訴を取り下げることに同意。全ての告訴を棄却。マクミリアンは、晴れて死刑囚という呪縛から解き放たれて、家族の元へと変えることが出来るのでした。

アメリカでは、死刑囚9人中1人は冤罪が認められる国、黒人貧困層の為にあの手この手で勇猛果敢に対立し「正義とは何か?」を常に考えさせられる映画。

黒い司法 0%からの奇跡 / Just Mercy
7

実話なんてびっくり。

黒人に生まれたというだけで、いい加減な捜査の末、死刑宣告を受ける、そんなことが実際にあったことだなんて、ひどいです。場所は、アラバマ州でアラバマ物語の舞台にもなっていたし、本当にここら辺は人種差別が激しかったんだなと思いました。でも、死刑ですよ。本当に犯罪を犯していたのか、そこが一番気になる刑です。相手が自白していたって、きちんと捜査するべきなのになあと思いました。
死刑宣告を受けていた人が、俺らは生まれながらに有罪なんだといったののはショックを受けました。自分の運命を受け入れているというか、こんな理不尽なことを受け入れざるを得ないなんて、今までどれだけ理不尽な目に遭ったのだろうと思います。彼を救う、そういう映画かなと思ったら、弁護士さんはほかにも精神的病を抱えて病院に行くべきなのにっていう人からも話を聞いたり、死刑宣告を不当に受けた人達のための事務所を作っていて、すごい人だなと思いました。彼もすごいし、彼に力を貸したボランティア?日本でいうNPO団体?の方もすごいです。
最後は、スカッとする終わりでよかったです。それでも、彼の事件は氷山の一角で、同じ目に遭っている人は今でもたくさんいるんだろうなと思うと、とても恐ろしくなりました。