ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』とは、2019年にアメリカで制作されたミステリー映画である。世界的なミステリー作家のハーラン・スロンビーの85歳の誕生日パーティーが開かれた。しかし、その翌朝ハーランは遺体となって見つかる。正体不明の誰かに雇われた探偵のブノワ・ブランは、パーティーに参加していた人間全員を疑っていた。『007』シリーズのダニエル・クレイグや『アベンジャーズ』シリーズのクリス・エヴァンスら豪華キャストが出演し、緊張感ありつつも、それぞれの思惑などをコミカルに描いている。

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密のレビュー・評価・感想

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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密
8

最後まで目が離せない豪華キャストによる本格ミステリー映画

NY郊外の館で大富豪のハーラン・スロービーが誕生日パーティーの翌朝遺体で発見されたことから始まるミステリー。
探偵のブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)は匿名で調査依頼をうけたことがきっかけでこの殺人事件の謎に挑むことになる。
ストーリーは心優しく誠実なハーランの看護師、マルタがハーランに薬と間違えてモルヒネを大量投与してしまったことから始まる。
親友でもあるマルタやマルタの家族を守りたいハーランはマルタが犯人として扱われないように自らの死を偽装する。
徐々に名探偵ブノワによって追いつめられるマルタ。
しかし物語が進むにつれてハーランの死にはマルタ以外の何者かが関わっていることがわかってくる。
このままマルタは捕まってしまうのか?ブノワは真犯人を突き止めることができるのか?
また、ハーランの残された巨額の遺産を巡って家族の思惑が交差しそちらからも目が離せない。
最後の最後まで真相がどうなるかわからずハラハラするだけでなく、最後にはすべての謎が解き明かされすっきりとさわやかな気持ちになる。
またミステリーだけでなく人種差別や移民問題についても考えさせられる作品となっている。
「007」で有名なダニエル・クレイグがアメリカの南部なまりの探偵役であったり、
「キャプテン・アメリカ」として有名なクリス・エヴァンスが禁止用語を連発したりと、配役にも皮肉が効いている。

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密
6

スター・ウォーズを手掛けた監督がアガサ・クリスティーに捧ぐ古典的ミステリー!

「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」のライアン・ジョンソン監督が、アガサ・クリスティーに捧げて脚本を執筆したオリジナルの密室殺人ミステリー。見終わった感想としては、定番ミステリー。
大物作家が殺され、大家族がその死者の莫大な財産を争って醜く争う。そんな中全財産を手に入れるのはまさかの死者の看護師。
ここまでのシナリオはよく見るが、注目すべきなのは、それぞれのキャラクターの作りこみだ。それぞれの演者の演技力はもちろんずば抜けているが、それぞれのキャラクター設定も非常に濃い。ただ、残念に思ったのは、冒頭30分の事情聴取の段階で、観客にはそれぞれが犯人ではないということがわかってしまうところだ。実は観客には見せていない所が犯人なのか!?と思っていたが、どうやらそうでもなかった…。
看護師以外は無実だとして、観客に看護師が犯人だと思わせておいて実は真犯人が…!という展開も割とお決まりのように思う。(ぶっちゃけ、キャプテンアメリカ役で有名なクリス・エヴァンスが出てる時点で犯人か?って思ってしまった。)
もっと、ミステリー作家を中心としたミステリーらしく、実は死んだ本人がすべてを仕組んでいた!みたいな展開なのかなと思っていたが、案外あっさり終わった。
総じて、アガサ・クリスティーを彷彿とさせるミステリー映画で役者も実力はが揃っていたことから、満足度は高いが、ミステリー好きには少し物足りないところもあるかもしれない。