内閣と新聞記者
日本の政治界では、無名の中堅議員や秘書がよく捕まるニュースを頻繁に目にします。
自民党派閥の裏金問題では、自民党安部派の約90人が裏金を受けとったのにもかかわらず、いざ蓋を開けてみると逮捕されたのは全国的には無名の中堅議員だけです。検察は大物政治家を誰も逮捕・起訴せずに捜査を打ち切る可能性が高いとされています。そんな世の中だからこそこの映画を見てほしい。
本作はシム・ウンギョンさん演じるアメリカで育った東都新聞の記者・吉岡と、松坂桃李さん演じる内閣情報調査室、いわゆる内調の官僚・杉原の2人の視点をメインとして描かれています。
吉岡演じるシム・ウンギョンさんは日本語に少し初々しさを感じます。それが日本の文化に染まっていない方からみる日本の政治界のおかしさを際立たせており、私たちも考えざるをえなくなります。
吉岡は新聞記者として仕事を全うしようと、内閣による大学新設計画の真相を究明すべく調査を始めます。
杉原は自身の信念とは裏腹に、現政権に都合の悪いニュースをコントロールする現在の任務との間で葛藤しています。
杉原は外務省時代の尊敬している上司・神崎がビルの屋上から飛び降りてしまった事件を機に、杉原は吉岡と共に大学新設計画の真相を追うこととなります。
大学建設計画と表向きでは公表していましたが、裏では政府のよからぬ思惑が渦巻いていたのでした。