昨今の我が国の政治について考えさせられる内容
この映画は、東京新聞の記者である望月衣塑子の著書を原案のヒューマンサスペンス映画で、東都新聞記者、吉岡の役を韓国人女優のシム・ウンギョが、内閣情報調査室のエリート若手官僚杉原の役を、人気俳優の松坂桃李が演じているが、新聞記者の吉岡の元に大学新設計画の秘密の情報がFAXで届き、正義のため、その真相を突き止めていくという展開の中で、吉岡には自身や吉岡の務める東都新聞社へ掛けられる政府からの圧力、杉原も内閣の不正を知り、その正義感で不正を暴こうと吉岡に協力をするが、家族への影響もある、自身の左遷や配置転換などの人事の圧力による恐怖との葛藤などの心理描写が、非常に現実に表現されており、フィクションの作品なのではあるが、過去に新聞やニュース番組などで話題になった事などを彷彿とさせる要素もとても多く、これはノンフィクションの作品なのではないかと思ってしまう程である。
このような国家のダークな部分を突いた、日本映画の作品は今までなかったので、国家や政治に興味がないと言われる、特にこれからの我が国を担う世代である若年層の方に、見て何かを感じてもらい、政治に興味を持つきっかけになってもらいたい、もっと我が国の政治に良いものはYES、良くない者はNOと言える日本人が出てくれる事を願います。
マイナスな点は、シム・ウンギョが日本語のセリフがたどたどしいのと、ストーリーの原案的に仕方ないが、どうしても左寄りな作風になっているので、それを嫌う人には受け入れにくい所はありますが、全体的には良い作品だと思いました。