かつて戦争があった世界での能力者系アニメ
P.A.Works完全オリジナル作品。
妖精という他作品で言うなら『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズのスタンドに相当する力を駆使して、マフィアと違法取締機関が重大な書物だが謎も多い「黒の書」をめぐる戦い、といたってシンプル。伏線にしても分かりづらいものではなく、丁寧に追っていれば気づく箇所もあり良くも悪くも堅実な展開なので、奇をてらうものが苦手な人ならお勧めできます。
能力者ものなので内容次第でバランスブレイカーになる所ですが、妖精のダメージが一定量到達すると再度出すのに時間がかかる設定なので堅実と言えば堅実。マーリヤ達メイン格の4人の妖精の能力のバランスが良く、前衛でフリーとマーリヤ、後衛でクラーラとセルジュとどこまでも堅実を地で行くが、ベロニカやビター・スウィートなどは癖の強さが目立つが強力かつ厄介なものもあり、幅は広め。しかし、この妖精。見た目が殆ど異形か動物モチーフの中で人型は特殊な立ち位置と、ここは「言われてみれば…」「気づかなかった」のいずれかであると思います。
キーアイテム「黒の書」の真相よりもスーナで生贄にされるのはマーリヤじゃなくて人気者のベロニカなのには少々驚いたが、理由は「貰うんだったらいいものが良い」という理屈は確かにそうだが、おおよそ生贄とされるのが不要者扱いされる場合が多い中で人気者が生贄なんだって方向にしたのはある種斬新でした。