憎しみ / La Haine

憎しみ / La Haine

『憎しみ』(原題:La Haine)とは、1995年に公開されたフランスのドラマ映画である。マチュー・カソヴィッツが27歳で監督・脚本を手がけ、ヴィンツ役のヴァンサン・カッセルが出世作として強烈な存在感を放った。第48回カンヌ国際映画祭監督賞やヨーロッパ映画賞新人賞を受賞し、映画のみならず音楽やファッションなど当時のカルチャー全般に多大な影響を与えた1990年代フランス映画の代表作である。
パリ郊外の貧しい公営住宅地域(バンリュー)を舞台に、人種差別、貧困、警察の暴力に晒される若者たちの不穏な24時間を鮮烈なモノクロ映像で描いている。警官の暴行に端を発する暴動の翌朝、暴動の最中に警官が紛失した1丁の拳銃を拾ったユダヤ系のヴィンツ、アラブ系のサイード、アフリカ系のユベールという異なるルーツを持つ3人の若者が、行き場のない怒りと緊張感の中で運命を狂わせていく姿が映し出される。
日本では1996年2月17日に初公開され、2026年10月9日には4Kレストア版としてリバイバル公開された。

憎しみ / La Haineのレビュー・評価・感想

憎しみ / La Haine
10

くすぶっている感じがたまらない

モノクロームのおしゃれな映画です。もっと沢山の人が見るべきとてつもない作品です。
どこの国にもいるようなくすぶっている若者たちに焦点が当てられています。
しかし切迫の度合いが日本とは違います。
暴動に巻き込まれて重体になる様な映画が作られた当時(1995年)のフランスの状況を反映しています。
でも目が離せないし何だかおしゃれで楽しいです。
そこがすごい。底の知れない何かが横たわっている映画なのに、未来がない事がそうさせるのかカラッとした明るさも感じます。
最後の一瞬までだらだらと不穏な雰囲気が続きます。
音楽も素晴らしいです。特にフレンチラップは注意して聴くべき。発語される音の感じが不穏さに拍車をかけます。
マチュー・カソビッツも出演しています。
この映画のあとメジャーになって行きましたがこの頃から良い存在感をしています。
一筋縄で行かない雰囲気があります。
この作品はフランスの、現在も解決されない問題を扱っています。
おしゃれになりにくいような深刻な問題をスタイリッシュな映画にしたところがいいです。
こういった問題はもうフランスだけの問題ではありませんが「憎しみ」ほど上手く映画化される事はないかも知れません。
単に深刻なだけでなく、単におしゃれなだけでもなく、たんに楽しいだけでない本当にすごい映画です。