バイス (映画) / Vice

バイス (映画) / Viceのレビュー・評価・感想

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バイス (映画) / Vice
7

ちょっと前の話をここまで皮肉たっぷりにとは…。

すごくシニカルな話でしたね。
近代も近代の話なのに、もう映画にして茶化そうだなんてさすがアメリカです。クリスチャン・ベールが彼とは思えないメイクで挑んでいて面白いです。こういう人がブッシュ時代にいただなんて知りませんでした。いや、アメリカのことなど全然知らなかった自分を恥じます。大きな国際問題だったのに、ちょっと知らな過ぎましたね。ともかく、そういう大きな事件が起きたとき、裏で政治を操っていた副大統領のお話で、人を操ったりするのがすごくて面白かったです。裏工作をして、大統領がすべきことまでやって、バイタリティに溢れた人でした。体も壊してばかりだったようだし、それでもそういうことが好きだったんですかね?
その彼も最初は彼女(のちの奥さん)に尻を叩かれて、政界に入ったってのがすごいです。なんて出世欲の強い女性なんだと怖くなりました。でも、きっと彼の隠れた才能に気が付いていたんですよね。大統領がただの飾りだとか、本当に大丈夫なのかっていう皮肉がたっぷりで、さすがだなと思います。
これでクレームは来ないのか否か、きても平気なのか、やっぱりハリウッドってすごいところなんだなというのを改めて感じさせられました。

バイス (映画) / Vice
8

ブラックコメディとして最高。

実際の政治家を題材にした、すごく面白いブラックコメディでした。
主人公はやな政治家なのですが、なんか笑って見れました。
それに、映画で言われているようにたしかに彼を選んだのは国民なんだから、彼だけを責めるのも違うのかもしれません。
彼がしたことはひどいものでしたが、アル中の作業員だったディックが、妻にはっぱかけられたことをきっかけに副大統領にまでなるなんて、すごいし、どうやってなったのかとても興味深かったです。
これぞ成り上がりという感じです。それに政治家として見せる面と家族に対して見せる面が全然違っていて、ああ、人って誰でもこういうもんかもなと考えさせられました。
主演のクリスチャン・ベイルはほんとすごくて、ポスターを見た時はなんか見たことある気がするけど、この役者だれだっけと思いました。役作りがえぐいです。
演出も当時の映像を差し込んでみたり、急に劇中劇ぽくなったり、途中でエンドロールとかふざけてはいるけど、政治的メッセージをこっちに浴びせかけてて、監督ってすごい人だなと思いました。
アメリカでも日本でも一番いけないのは、政治に興味を持たないことなんですね。
今度の選挙はもう少し考えて投票しようかなと思わせてくれる映画でした。