7
さくらちゃんがいないので、あんまり見ない。
この作品は監督が山田洋次さんじゃないので、いつもの寅さんとちょっと違うところがあります。一番大きいのはさくらちゃんがあまり出てこないことで、話は彼女なしでも進むんだけど、そうじゃないんだよ。監督さん、さくらちゃんは必要なんだよと思ってしまいます。なので、あまり見ない回です。でも、お話は面白いです。まず、寅さんの見合い騒動のところがいいです。見合いだとすごく緊張して座っていた寅さんのもとに現れたのは、なじみの店員さんですが恋人がいて、そのことを寅さんも知っています。しかも妊娠していて、むちゃくちゃです。そこでもただ怒るのではなく、二人をきちんと夫婦にしてやろうとするのが、寅さんの心意気です。とてもかっこいいと思います。ただ、カッコつけすぎて、金もないのに二人のためにお祝いしてやって、おいちゃんらに金を使わせてました。そりゃあ、おいちゃんらも怒るよと思いました。でも、そうせずにはいられない寅さんの気持ちもわかるし、一番つらいのは寅さんだろうに、おいちゃんらもそこがよくわかってなかったんだなと思いました。その点、さくらさんは偉大です。そのあとは、寅さんが住み込みで働く温泉宿が舞台になって、そこもおもしろいのですが、やはりとらやの面々がそろっている、前半部分のほうが好きです。