lynch. / リンチ

lynch. / リンチのレビュー・評価・感想

lynch. / リンチ
10

進化を続ける名古屋の至宝!「lynch.」の魅力

2004年に名古屋で結成された「lynch.」は、ボーカリスト:葉月、ギタリスト:玲央、悠介、ベーシスト:明徳、ドラマー:晁直の5人からなるバンドだ。
彼らの音楽の特徴は、名古屋のヴィジュアル系を彷彿とさせる暗さと妖艶さに、ラウドロックの激しくもキャッチーな曲調を兼ね備えている。
ラウドロックとヘヴィメタルのような激しい曲もあれば、幻想的なギタートーンをバックに奏でるバラード曲など、多種多様な楽曲が魅力的だ。

作詞と作曲は主にボーカリストの葉月が手掛け、幻想的な特徴のあるギタートーンは悠介の得意技だ。lynch.の多くの曲で聞くことができる。
1年の半分以上は日本全国でツアーライブを行ったこともあるバンドで、ライブに対する熱量はとてつもない。2020年のコロナ禍で営業不振に陥ってしまったライブハウスを救済するべく、シングルをリリースし製作費を除いた売り上げを全額分配して寄付するなど、彼らにとってライブやライブハウスがかけがえのない存在であると感じられるエピソードであった。

2011年のメジャーデビュー後、ベーシストの明徳の一時脱退や2021年の活動休止とバンドにとって辛く悲しい時期もあったが、2022年に復活し同年に念願の武道館ライブを成功させた。

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10

コロナ禍におけるlynch.

lynch.は2004年に結成したバンドである。ヴィジュアル系やラウドロックから大きな影響を受けており、メタルコアをはじめとする様々なヘヴィーミュージックをミックスさせて進化を続けてきた。ライブを重視した活動スタイルであり、いわゆるノリを重視した曲が多い。作曲の中心であるボーカルの葉月が意識している「ヘヴィだけどキャッチーである」という点が存分に発揮されている。名古屋で結成されてから地道に活動を続けてきた彼らだが、ついに2020年に念願の単独武道館の開催が決まった。だがコロナ禍であることを加味し延期となってしまった。武道館の延期について、ボーカルの葉月は自身のYoutubeでこう話す。「延期になっても、いつでも武道館でやれるバンドであることは変わらない」と。コロナ禍で様々なバンドが模索している中でも、以前と変わらずコンスタントに曲を発表し続けている姿勢が高く評価されている。ボーカルの葉月とドラムの晁直は2020年からYoutubeを開始するなど、バンド活動以外でも精力的に活動している。前述のYoutubeからlynch.の先輩にあたるLUNA SEAや黒夢、DIR EN GREYなどのメンバーとも親交があり、顔の広さが窺えるとともに繋がりを大切にしている一面が見え隠れする。

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10

「ビジュアル系出身」というだけで聴かず嫌いするのはもったいない、男性ファンも多めなラウド系ロックバンド

ビジュアル系というと女性客が多い印象ですが、彼らのライブには男性客も多い!
ビジュアル系以外のバンドとの対バンもちょくちょくありますし、カウントダウンジャパン、ロッキンといった大規模なフェスにも出演しているので、機会があればぜひ観てください。
ライブの盛り上げ方・演奏力の高さ・歌唱力の高さ・グロウルをはじめとしたシャウトの技術の高さなど、全体的にステージの安定感が半端なく、いつどの会場のライブでも安定していいライブを魅せてくれます。
バンドとして注目を集めはじめたのが遅咲きということもあるのか、ファンを大切にするホスピタリティの高さでも有名で、メンバー自身が「顧客満足度100%を目指している」と公言するほど。グッズの発送の迅速さ、会場でのスタッフの方の気遣い、サイン会等でのメンバーのサービス精神の素晴らしさなど、挙げればきりがありません。
各地のファンに会いに行くために、ほぼ毎年、北海道から沖縄まで津々浦々を巡るスタイルからもファンを大切にする姿勢が感じられます。たとえば、北海道内だけでも数か所を巡るほどの細かな旅程です。
漆黒の衣装を身に纏って、メンバーのほとんどが広範囲にタトゥーを入れている、というコワモテなルックスですが、実は「ファンを大事にする優しいバンド」というギャップも、また魅力のひとつかもしれません。
あえて上京せず、メンバー全員出身地の名古屋に在住したままメジャーシーンで活動しており、口を開けば名古屋弁全開(笑)なのも、人間味を感じます。
最初に聞くおすすめの音源は、ベストアルバムのほか「過去作より、最新作が売れている」バンドなので、いきなり最新作に触れてみても良いと思います。