フィッシュストーリー

フィッシュストーリー

『フィッシュストーリー』とは、伊坂幸太郎による短編小説、およびそれを原作とする同名の映画や舞台作品である。短編小説集『フィッシュストーリー』の表題作として、『小説新潮』2005年10月号に初出掲載された。
物語は、1953年の翻訳作業から始まり、1970年代の売れないロックバンド「逆鱗」、1980年代の大学生の遭遇した出来事、2000年代のハイジャック事件、そして2012年の世界滅亡の危機に至るまで、数十年の時と無関係に見える人々を繋ぐ壮大な因果を描く。でたらめな翻訳から生まれた一冊の小説が、あるロックバンドの楽曲「FISH STORY」を生み出し、その曲が時代を超えて人々から人へと受け継がれていくことで、最終的に地球の危機を救う奇跡へと繋がっていく様をユーモラスかつドラマチックに表現している。
メディアミックスも積極的に行われており、2009年には中村義洋監督、伊藤淳史や高良健吾らの出演により映画化された。劇中に登場するバンド「逆鱗」の楽曲はシンガーソングライターの斉藤和義がプロデュースを手掛け、時系列をシャッフルした重層的なストーリー構成や、細かな伏線が回収されていく爽快なエンディングが高く評価された。また、2011年と2012年には劇団東京ハートブレイカーズによって舞台版も上演されている。

フィッシュストーリーのレビュー・評価・感想

フィッシュストーリー
9

無駄なことなど無いと思わせてくれる、痛快映画の決定版

フィッシュストーリーは2009年に制作された、伊坂幸太郎原作、中村義洋監督による日本映画です。
音楽は斉藤和義が担当しています。
オムニバス形式の映画のようですが、すべての話がラストに見事つながります。
舞台は五つの時代。1953年、1975年、1982年、2009年、2012年です。
この時間の中で物語はそれぞれ進みます。
海外の小説「フィッシュストーリー」を翻訳しようとして雇ったハーフ顔の男が実は日本人。
その男がでたらめに翻訳した本のために、その会社は潰れ、本は出版できず。
その本を偶然手にし、のちに音楽プロデューサーとなる男。
その男のすすめでその本の内容を引用して歌詞にするも、まったく売れず解散するバンドの男たち。
その曲がいわくつきの曲となったことがきっかけで、正義に目覚めた男。
その男の影響で、正義のヒーローになるために育てられた男。
その男によって、シージャックから命を助けられた天才といわれる女。
そして2012年、地球に隕石が落ちる寸前。奇跡を信じ、願う男たち。
五つの時代がつながった時に、一つとして無駄な時代など無かったと言い切れるような爽快なラストをむかえます。まるでそれは時空を超えてつながった、正義の味方を描いた映画のように思えるでしょう。