フィッシュストーリー

フィッシュストーリーのレビュー・評価・感想

New Review
フィッシュストーリー
9

無駄なことなど無いと思わせてくれる、痛快映画の決定版

フィッシュストーリーは2009年に制作された、伊坂幸太郎原作、中村義洋監督による日本映画です。
音楽は斉藤和義が担当しています。
オムニバス形式の映画のようですが、すべての話がラストに見事つながります。
舞台は五つの時代。1953年、1975年、1982年、2009年、2012年です。
この時間の中で物語はそれぞれ進みます。
海外の小説「フィッシュストーリー」を翻訳しようとして雇ったハーフ顔の男が実は日本人。
その男がでたらめに翻訳した本のために、その会社は潰れ、本は出版できず。
その本を偶然手にし、のちに音楽プロデューサーとなる男。
その男のすすめでその本の内容を引用して歌詞にするも、まったく売れず解散するバンドの男たち。
その曲がいわくつきの曲となったことがきっかけで、正義に目覚めた男。
その男の影響で、正義のヒーローになるために育てられた男。
その男によって、シージャックから命を助けられた天才といわれる女。
そして2012年、地球に隕石が落ちる寸前。奇跡を信じ、願う男たち。
五つの時代がつながった時に、一つとして無駄な時代など無かったと言い切れるような爽快なラストをむかえます。まるでそれは時空を超えてつながった、正義の味方を描いた映画のように思えるでしょう。