ぜつぼうごはん

ぜつぼうごはん

『ぜつぼうごはん』とは、『ビッグコミックオリジナル増刊号』(小学館)にて2015年5月号から2017年11月号まで連載された、くじらいいく子による漫画作品である。
死を迎える直前の人物の前に現れ、その人物が「人生最期に本当に食べたい料理」を振る舞って成仏させる神の使い・満腹天(まんぷくてん)の活動を描いた1話完結形式の食文化・人間ドラマ作品である。世界中で無数の人々が生を受け、いつか必ず最期の食事を迎えるという普遍的なテーマを背景に、極限状態や臨終の間際に直面した人々が選択する料理を通じて、食に対する深い思索や人それぞれの生き様、思い出を描いている。
作中では、警察の追跡から逃走中に転落事故を起こした詐欺師をはじめ、吹雪の山小屋で遭難した夫婦、人生の最期に昔ながらの味を求める自由人、放課後に焼き飯を作り合う男子高校生、急病に倒れるメタボ体型の男性、火災現場に取り残された消防士と母親、煩悩を抑えてきた修行僧、不器用な生き方をしてきた離別済みの父親など、多様な境遇にある人間たちが登場する。満腹天が繰り出す思い出の料理やリクエストされた品々を通して、登場人物たちが自らの人生や心残りと向き合い、救いを得ていく過程が丁寧に描写されている。

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