科学戦隊ダイナマン

科学戦隊ダイナマンのレビュー・評価・感想

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科学戦隊ダイナマン
7

一見明るい脳天気な作風かと思いきやとんだどんでん返し

前作「ゴーグルV」から「未来科学VS暗黒科学」というテーマを継承しつつ、敵側と味方側の双方に思わぬドラマが仕込まれており、只の脳天気な子供向け戦隊ではありません。
本作はOPの「爆発」からも分かるように「火薬戦隊」とまで揶揄されるほど火薬の印象が強いのですが、終盤に差し掛かるまでは前作同様基本明るく楽しい戦隊です。
正義の味明るいおじさんと裏の司令官としての凜々しく厳しい顔の二面性があります。
そしてジャシンカ帝国もまたメギド王子を初めとし、前作のデスダークよりもより個性が強い連中揃いです。
が、その中でも中盤を盛り上げてくれるカー将軍の存在を抜きにしては語れず、彼とメギド王子が敵側の個性をより強くしてくれています。
そんな本作の真骨頂は終盤、ダークナイトとして復活を遂げたメギド王子と科学者としての暗い過去を持つ夢野博士によって思わぬ方向に盛り上がります。
一方の夢野博士もかつて自身が科学の実験で悲劇を起こしたことを五人に打ち明ける形となり、それをダイナマン五人は受け入れ、夢野博士の過去をも一部として受け入れて戦っていきます。
そんな彼らのめざましい成長がぶつかり合う終盤のドラマは間違いなく歴代でも屈指のボルテージの高さであり、この成功が次作「バイオマン」以降の壮大な作風へと繋がっていくきっかけになったのでしょう。
前半はやや荒削りですが、全体で見ると決して色褪せない普遍的な魅力を持った良作です。