グー・グー・ドールズ / Goo Goo Dolls

グー・グー・ドールズ / Goo Goo Dollsのレビュー・評価・感想

グー・グー・ドールズ / Goo Goo Dolls
10

アメリカン・ロックの良心。進化を続ける素晴らしい音楽性

グー・グー・ドールズはアメリカン・ロックの良心と言われるロックバンド。
1986年にニューヨーク州バッファローで結成されました。
ボーカル兼ギタリストのジョン・レズニックと、ベーシストのロビー・テイキャックの二人がオリジナルメンバーです。1995年から2013年まではドラムのマイク・マリニンが参加し、三人体制に。このスタイルが一番よく知られているのではないかと思います。
バンド名となったグー・グー・ドールズというのは、押すと音が鳴る子供の遊ぶおもちゃのことなのですが、なんとなくつけてしまったこの名前で、こんなに長く活躍することになるとは思っていなかったとメンバーは苦笑しています。そんなバンド名とは裏腹に、グー・グー・ドールズの楽曲はミュージシャンやアーティストから好まれ、音楽性が高いことが特徴。
それでいて、一般のリスナーが聴いても感動できる良曲がたくさんあります。
代表的なヒット曲はやはり1998年のアルバム『Dizzy Up The Girl』に収録されている「Iris」でしょう。
映画『シティ・オブ・エンジェル』の主題歌となり、爆発的にヒット。この映画のサウンドトラックは「Iris」以外の曲も良い曲が多く、名盤です。
ライブツアーでの「Iris」の演奏時は、観客との大合唱になっています。
映画のサウンドトラックとしては、2007年に『トランスフォーマー』のために書き下ろされた「Before It's Too Late」も名曲です。
ジョン曰く、映画のための曲は作りやすいらしく、好んでやっているようです。
こちらはベスト盤『Greatest Hits, Vol. 1: The Singles』に収録されており、他の曲も素晴らしいので是非聴いてみてください。
2013年のアルバム『Magnetic』からは作風が少し変わり、それまでにあったセンチメンタルな雰囲気が消え、力強く開放的なサウンドとなっています。
そして2016年の『Boxes』では、グー・グー・ドールズが覚醒したと言われるほどに新しいサウンドを手に入れてます。
ジョンの長年のアルコール依存症も治ったようでなによりです。
2019年にはロックというジャンルから飛び出したアルバム『Miracle Pill』をリリース。ロックバンド特有の重さが少なくなった代わりに、カラフルな楽しいサウンドに彩られている印象です。
ジャンルの枠組みから自由になったからこそ、ソングライティングの能力の高さがより感じられました。