コレクター(1965年の映画)

コレクター(1965年の映画)のレビュー・評価・感想

コレクター(1965年の映画)
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コレクター

人によって趣味はそれぞれ、いい趣味もあれば、えげつない趣味もあります。この映画の主人公はかなり独特な趣味の持ち主、いい子はマネしないように。ずばりいって女性です。かなり危ないやつ、身内がなくなり遺産相続でお金と家を手にしたところまではよかったが、頭のねじが緩んだのか、女を誘拐して自宅に監禁してしまった。女性の恐怖の日々が始まる。一見見た目は優しそうな青年なのだが、目が少し普通ではない。何せ俳優が曲者のテレンス・スタンプなので、普通の映画にはなりようがない。出てくる俳優は二人だけ、約二時間の映画で、俳優が二人で最後まで見させてしまう。監督は巨匠ウイリアム・ワイラー、さすが演出力は天才的、どのようなジャンルを作らせても傑作をものにする。忘れてはいけません、女優はサマンサ・エッガー。カンヌで主演女優賞をとっています。いわゆる大作ではありません。考え抜かれたシナリオと監督の力そして俳優の実力が組み合わさってこのようなスリラーの歴史的な傑作が生まれたのでしょう。最近のハリウッドの映画はやたら製作費を掛ければいいと錯覚をしているみたいです。映画の出来はシナリオ次第、お金をかけてもくずのような映画がたくさんありますね、ハリウッドには山のように失敗作が転がっています。