トレイシー・ソーン / Tracey Thorn

トレイシー・ソーン / Tracey Thorn

トレイシー・ソーン(Tracey Thorn)とは、イギリスのシンガーソングライター、ボーカリスト、エッセイストである。ハートフォードシャー州出身。1980年代初頭にパンク・ポップグループのマリン・ガールズのメンバーとしてキャリアを始動し、1982年にはソロ名義でミニアルバム『遠い渚 - ディスタント・ショア』を発表した。
ハル大学在学中に、同じレーベルに所属していたベン・ワットと音楽ユニットのエヴリシング・バット・ザ・ガール(EBTG)を結成した。1984年のデビュー作『エデン』や、1994年のヒット曲「ミッシング」などを通じて、アコースティック・ポップからエレクトロニック・ミュージックまで幅広いサウンドを展開し、世界的成功を収めた。また、マッシヴ・アタックの代表曲「プロテクション」への参加をはじめ、多数のアーティストとのコラボレーションでも存在感を示した。
2000年のEBTG活動休止以降は、子育てや家庭生活に重きを置きつつもソロ音楽活動を再開し、『アウト・オブ・ザ・ウッズ』や『ラブ・アンド・イッツ・オポジット』などのアルバムを発表した。近年では音楽活動にとどまらず、自伝『安アパートのディスコクイーン』の執筆や定期的なコラムの連載など、エッセイストや文筆家としても高い評価を得ている。

トレイシー・ソーン / Tracey Thornのレビュー・評価・感想

トレイシー・ソーン / Tracey Thorn
7

情緒を湛えた歌声。音楽ファンに根強い人気

少しハスキーで、哀愁と温かみがある歌声に、音楽ファンからの支持が高いトレイシー・ソーン。
UKのシンガーソングライターであり、Everything But The Girlというデュオの活動も人気です。

1981年のアルバム『A Distant Shore』はギターとボーカルだけのシンプルな作品。
海辺で弾き語りしているような、自分の部屋で一人で演奏しているような、とてもパーソナルな印象があります。
この頃はガールズパンクバンドでの活動をしていたためか、歌唱は荒削りなのですが、そこに飾り気のないインディーな魅力があります。

その後、男性シンガーソングライターのベン・ワットと結成したEverything But The Girlが成功し、トレイシー・ソーンの表現力は情緒を湛えたものとなりました。
デュオの演奏ジャンルも時代とともに進化を遂げていきます。

1994年には、UKのエレクトロニカのユニット、マッシブ・アタックのアルバム『Protection』に客演として呼ばれ、収録したうちの一曲のシングル「Protection」が大ヒットします。
乾いたブレイクビーツの上に乗るトレイシー・ソーンの歌声に感動した人は多く、不滅の傑作となりました。

また、トレイシー・ソーンの楽曲にもエレクトロニカやダンスミュージックの要素が含まれるようになり、その方面との相性良さが確認できます。
しかし全面的に傾倒してしまうことはなく、オルタナティブロックのアルバムを出すなどして、ジャンルにこだわらず自由に制作しているようです。