オープン・ウォーター

オープン・ウォーターのレビュー・評価・感想

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オープン・ウォーター
7

体感できる大海原の恐怖

ダイビング中に置いてきぼりにされたカップルを描いたサスペンス映画です。安っぽいビデオ画像で低予算の完全なインディーズ映画ながら、広大過ぎる大海原の恐怖をたっぷりと味わえる一作になっています。
特に中盤以降はカップルが海の真っ只中で浮いている場面だけ、といってもよいほどの展開を迎えます。果てしなく広がる海、足元に地面がない不安、周囲をさまようサメによる恐怖、やがて日が沈んで海の中で夜を迎える恐怖などが、これでもかと展開します。見ているうちに嫌でも、「もし自分が海の真っ只中に放置されたらどうしよう」と想像させられる仕上がりになっています。内容も狙いもこれ以上ないほどシンプルで、それ故にブレない力強さと、観客を海の恐怖に引き摺り込む吸引力のある作品です。
この作品は完成していくつかの映画祭で好評を得た後に、アメリカの大手映画製作会社ライオンズ・ゲートに購入されて、全米および全世界で公開されてかなりの収益を上げたそうですが、それも納得のキャッチさを持った作品です。バカ受けした低予算自主映画には、コロンブスの卵的な一見すぐ思い付きそうで、実はそれまで作られてこなかった秀逸なアイデアと、それを描くことに徹した独特のスタイルを持っていること、などの共通点が多く見受けられますが、本作もありそうでなかった海の怖さに特化した独特の狙いのある作品になっています。
手に汗握り、かなり絶望の色濃い作品ですので、緊迫した映画がお好きな方には、掘り出し物の一本としてお薦めできるのでは、と思います。

オープン・ウォーター
9

取り残された系って怖い

実話に基づく映画ですと出るので、余計に怖くなる映画です。でも、実話は、とある夫婦が海で行方不明になって、遺体も見つからなかったというものらしいです。まあ、どのように亡くなったのか、生きているのかはちょっとわかりませんものね。半分フィクションの作品ですが、とても怖いです。やはり、取り残された系が一番怖いかもしれません。主役の夫婦たちは、ダイビングツアーに参加していて、海に取り残されます。コンダクターもいるんだし、人数確認するだろと思いますが、2人がツアー中も仕事ばかりで他の客から孤立していて忘れられるというわけです。この設定は怖いなと思いました。私も人見知りだし、他の客とは仲良くしません。てか、そうだとしても、コンダクター、ちゃんとみとけ!という感じです。命預かってるのにとイライラしました。海に取り残された後の描写はずっと怖かったです。まず、寒そうです。海とか山とか、遭難系で怖いのはまずそこです。震えてる顔とか見ると、こちらも寒くなってきます。そして、その体力の低下に加えて、サメの恐怖ときたら!サメ映画は、サメと戦うものもありますが、本作を観てて、あっ、こりゃ助からないなと思いました。それだけ、サメと人間の差は大きかったです。海には行きたくないし、ダイビングツアーなんか参加するか!と思った映画でした。