オープン・ウォーター

オープン・ウォーター

『オープン・ウォーター』(原題:Open Water)とは、2003年に公開されたアメリカ合衆国のサバイバル・スリラー映画である。監督はクリス・ケンティス。スキューバダイビングツアーの最中に手違いから大海原に取り残されてしまった実在の夫婦をモデルに、極限の恐怖と絶望を描いている。本作はわずか数十万ドルの低予算で制作され、CGIなどの特殊効果をほとんど使用せず、俳優たちが実際にサメの泳ぐ海域に入って撮影に挑んだことでも大きな話題を集めた。
物語のベースとなったのは、1998年1月にオーストラリアのグレート・バリア・リーフで実際に起きた事件である。スキューバダイビングを楽しんでいたアメリカ人の夫婦が、ツアーボートの人数確認の不手際から海に取り残されてしまう。他の乗客やクルーが気づかないまま船が去ってしまい、絶望的な状況に放り出された2人は、サメがうろつく海上で過酷な漂流生活を強いられることになった。映画では、この実話を基に、広大な海に取り残された人間の孤独や、徐々に追い詰められていく心理描写が生々しく表現されている。
映画はサンダンス映画祭での上映を経て全米公開され、そのリアルな恐怖描写と緊迫感が観客や批評家から高い評価を受けた。日本でも2005年に劇場公開され、2007年には続編となる『オープン・ウォーター2』が公開されている。

naokinawal9のレビュー・評価・感想

オープン・ウォーター
7

体感できる大海原の恐怖

ダイビング中に置いてきぼりにされたカップルを描いたサスペンス映画です。安っぽいビデオ画像で低予算の完全なインディーズ映画ながら、広大過ぎる大海原の恐怖をたっぷりと味わえる一作になっています。
特に中盤以降はカップルが海の真っ只中で浮いている場面だけ、といってもよいほどの展開を迎えます。果てしなく広がる海、足元に地面がない不安、周囲をさまようサメによる恐怖、やがて日が沈んで海の中で夜を迎える恐怖などが、これでもかと展開します。見ているうちに嫌でも、「もし自分が海の真っ只中に放置されたらどうしよう」と想像させられる仕上がりになっています。内容も狙いもこれ以上ないほどシンプルで、それ故にブレない力強さと、観客を海の恐怖に引き摺り込む吸引力のある作品です。
この作品は完成していくつかの映画祭で好評を得た後に、アメリカの大手映画製作会社ライオンズ・ゲートに購入されて、全米および全世界で公開されてかなりの収益を上げたそうですが、それも納得のキャッチさを持った作品です。バカ受けした低予算自主映画には、コロンブスの卵的な一見すぐ思い付きそうで、実はそれまで作られてこなかった秀逸なアイデアと、それを描くことに徹した独特のスタイルを持っていること、などの共通点が多く見受けられますが、本作もありそうでなかった海の怖さに特化した独特の狙いのある作品になっています。
手に汗握り、かなり絶望の色濃い作品ですので、緊迫した映画がお好きな方には、掘り出し物の一本としてお薦めできるのでは、と思います。