監督失格

監督失格

『監督失格』(かんとくしっかく)とは、2011年に公開された平野勝之監督によるドキュメンタリー映画である。数々のアダルトビデオやピンク映画で活躍しながらも2005年に34歳の若さで急逝した女優・林由美香を題材にしており、『新世紀エヴァンゲリオン』の監督として知られる庵野秀明が初めて実写映画のプロデューサーを手掛けたことでも大きな話題を集めた。第21回日本映画プロフェッショナル大賞で作品賞およびベスト・テン第1位を受賞するなど、高い評価を獲得している。
物語は、200本以上の作品に出演し多くの人に愛された林由美香の突然の死から始まる。林の仕事仲間であり恋人でもあった異端の映画監督・平野勝之は、彼女を失った絶望の淵に立たされながらも、カメラを回し続けることで自らの喪失感と向き合っていく。本作は、生前の林と平野がかかわった約15年間にわたる赤裸々な記録映像と、彼女の死後に新たに撮影された映像によって構成されており、一人の女性の生きざまと、遺された男が再生へと向かう姿を生々しく描き出している。
庵野秀明がプロデューサーを引き受けた背景には、かつて自身の作品制作で精神的に追い詰められていた時期に平野監督の過去作を観て救われたという恩返しへの強い思いがあった。劇中には林由美香本人のほか、監督自身である平野勝之や実母の小栗冨美代、仕事仲間であるカンパニー松尾らが出演している。私的な記録とドキュメンタリーの境界線を越え、愛する者の死を通した人間の剥き出しの感情や再生のドラマを鮮烈に映し出した、異色のドキュメンタリー作品である。

監督失格のレビュー・評価・感想

監督失格
7

身近な人の死

自分の愛人との、情事を撮るとかどういう神経やねんとか、ちょっと最初は嫌悪感のある話なのですが、監督が由美香さんの遺体を発見してしまい、その後、何も作らないほど苦しみな悲しんだことを見てしまうと、そのことだけで悪く思えないというか、なんとも言えない気持ちになりました。
由美香さんから立ち直ろうとこの映画を作ろうって話になったけど、作業が進まないところとか、そりゃそうだよなと思いつつ、ドラマとか作り物ではない本物の悲しみに直で触れて、そういうもんだろとわかっていながら辛かったです。
再録みたいなところもあるし、何かとテロップが入るとか、気になるところもありました。テロップばっかりとかは、仕方ない部分もあるとは思います。この映画を作り始めたって時点で、監督も自分のことを客観的に見れるようになってきたってことだろうし、あまり素の苦しみとかを出した場面とかは撮りにくいでしようし、ちょっと演技というか、わざと話すことで立ち直るってこともあると思うので、わざとなんかテレビの演出ぽくしたのかなと思いました。
最後、監督が由美香さんから立ち直ろうとする場面は本当に良かったです。そこを見るためにも見るべき映画ですし、監督がこの映画を作った意味はあったなあと思います。でも、やっぱりショッキングすぎる話ですし、監督と由美香さんの関係だって不倫関係でしたし、そんな一般受けする話ではないのかなと思いました。