男はつらいよ 寅次郎恋歌

男はつらいよ 寅次郎恋歌のレビュー・評価・感想

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男はつらいよ 寅次郎恋歌
9

博の父

博の母への愛が分かる作品でした。ただ、旦那に仕えるだけの寂しい人生だったと博はいうけれど、夫婦のことは夫婦にしか分からないところがあるのになと思います。それだけ、母が好きだったのでしょう。でも、父は気の毒です。
そして、妻を亡くし、一人暮らしと聞き、寅さんは博の父宅に泊まります。すごく迷惑な話っぽいですが、博の父からするとすごく嬉しかったんじゃないかなと思います。そりゃあ、一人でいいとか、息子のとこで暮らすのは気を使うとか、それも真実でしょうが、やっぱり一人は寂しいですもん。
また、博の父が寅さんに語る家族の大切さの話もなかなか奥深くていいです。ちょっと聞くだけだと意味不明なんだけど、たしかにただ家族で飯を食っている、それだけの光景が一番人間らしくて素晴らしいのかもしれません。
寅さんも結構詩人だし、博の父の文学的表現が心にグッときたのだと思います。そう思うと、寅さんと博の父は似ているのかもしらません。博の父でいえば、本作で博の父はとらやを尋ね、初めて満男に会うのですが、その場面もすごく良いです。博の父は学者さんだし、博とはあまり話さないし、おいちゃんが困っていたところ、寅さんがやってきて、ずかずかと話しかけて、満男におじいちゃんだよとか言って、ほんと遠慮ない人だけど、そのおかげで打ち解けた感じでした。
今回は博父もたくさん出ていてとても面白い作品でした。

男はつらいよ 寅次郎恋歌
10

博の父

博の母が亡くなるというエピソードの話でした。博が母の葬式で、父や兄弟たちに母は可哀想な人だったと泣いたりします。父の奴隷のような人生だったと。博は本当に優しい人だなと思いました。でも、夫婦のことは子どもでもわからないところはあるだろうし、父も可哀想だなと思いました。寅さんは別に呼ばれてもないだろうに、葬式?お通夜?にきちんときて、義理人情が厚い人だな、寅さんらしいと思うし、その後父も1人で大変だろうと、その場に居座ったり優しいと思いました。さくらは、まあなんて迷惑なと言ってたけど、父はうれしかったと思います。確かに寅さんって遠慮知らずのところはありますが、やっぱ人の懐に入り込むのがうまいというか、寅さんならいても気にならずただ嬉しい気がします。あと、博の父は博のことをちょっと悪く言ったりしますが、博識だし、言うことがとても文学的で素敵なことを言うので好きです。寅さんが彼の言うことで、結婚もいいなと思うのもわかる気がします。博の父のエピソードが楽しめる作品としてもいい作品だなと思います。あと寅さんが珍しく、ヒロインに振られない回です。ヒロインは女手一つで子供を育ててる女性で、喫茶店を営んでいるのですが、誰か他の男が現れるわけではないし困るとか言うわけではないのですが、寅さんが自ら身を引く感じでした。