男はつらいよ 寅次郎恋歌

男はつらいよ 寅次郎恋歌

『男はつらいよ 寅次郎恋歌』(おとこはつらいよ とらじろうこいうた)とは、1971年12月29日に公開された日本映画。男はつらいよシリーズの第8作目にあたる。監督は山田洋次が務め、毎日映画コンクール監督賞やキネマ旬報ベスト・テン第8位などに輝くなど、シリーズの中でも特に高い評価と人気を集めた傑作人情劇である。
物語は、柴又の家族たちが車寅次郎への接し方をめぐって気を揉む一幕から始まる。ある日、諏訪家に母親危篤の知らせが届き、博とさくらが駆けつける中で母は息を引き取る。その葬儀の席で、博の父である飈一郎(ひょういちろう)と博が激しく言い争う姿や、飈一郎が旅先で目撃した「りんどうの花が咲く温かい家庭」について寅次郎に語るエピソードが描かれる。人間は一人では生きていけないというその言葉にしんみりとした寅次郎は、家庭の幸せについて真剣に考えながら柴又へと帰っていく。
柴又に戻った寅次郎は、未亡人の貴子が営む喫茶店を訪れたことをきっかけに彼女に強く惹かれていく。貴子の内向的な息子に優しく接し、店を手伝いながら家庭の温もりを夢見る寅次郎だったが、店の経営難や貴子が抱く放浪への憧れを知る。貴子が語る旅への思いを聞きながらも、寅次郎はあえてその道に引きずり込んではいけないと悟り、静かに身を引くことを決意する。最後には再び寂しさと優しさを胸に柴又を離れ、旅の途中で出会った一座とともに再び放浪の旅へと出立していくのだった。

littlemy0902のレビュー・評価・感想

男はつらいよ 寅次郎恋歌
9

博の父

博の母への愛が分かる作品でした。ただ、旦那に仕えるだけの寂しい人生だったと博はいうけれど、夫婦のことは夫婦にしか分からないところがあるのになと思います。それだけ、母が好きだったのでしょう。でも、父は気の毒です。
そして、妻を亡くし、一人暮らしと聞き、寅さんは博の父宅に泊まります。すごく迷惑な話っぽいですが、博の父からするとすごく嬉しかったんじゃないかなと思います。そりゃあ、一人でいいとか、息子のとこで暮らすのは気を使うとか、それも真実でしょうが、やっぱり一人は寂しいですもん。
また、博の父が寅さんに語る家族の大切さの話もなかなか奥深くていいです。ちょっと聞くだけだと意味不明なんだけど、たしかにただ家族で飯を食っている、それだけの光景が一番人間らしくて素晴らしいのかもしれません。
寅さんも結構詩人だし、博の父の文学的表現が心にグッときたのだと思います。そう思うと、寅さんと博の父は似ているのかもしらません。博の父でいえば、本作で博の父はとらやを尋ね、初めて満男に会うのですが、その場面もすごく良いです。博の父は学者さんだし、博とはあまり話さないし、おいちゃんが困っていたところ、寅さんがやってきて、ずかずかと話しかけて、満男におじいちゃんだよとか言って、ほんと遠慮ない人だけど、そのおかげで打ち解けた感じでした。
今回は博父もたくさん出ていてとても面白い作品でした。