居眠り磐音

居眠り磐音のレビュー・評価・感想

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居眠り磐音
10

映画 居眠り磐音

この映画は佐伯泰英・原作の時代劇です。
見どころは殺陣と音楽、そしてドラマ版との相違点です。
まず殺陣についてはかなり重厚感があり、構え、太刀筋に迫力を感じられると思います。そして音楽はこの映画によく合うものだと思います。同じ原作でドラマ「陽炎の辻~居眠り磐音 江戸双紙」というものがあり、こちらの音楽も素敵ですが映画と比べれば音楽のスピードが違います。それは殺陣にも反映され、ドラマはテンポの速い、リズミカルな殺陣、映画はリズミカルではありませんがどっしりとしたリアルな殺陣だと思います。
またドラマと映画での設定の相違点も面白いです。少し内容を紹介させていただくと磐音の出奔の経緯は同じですが時代背景が少し異なります。田沼意次を例にするとドラマでは権勢を掌握し、磐音たちと間接的に敵対しております。松平定信の登場から見て田沼政治の終盤と思われます。映画では本軸のストーリーが意次の進める貨幣改革。その賛成派と反対派のにらみ合いを中心に話が進みます。磐音を支援している今津屋がこの改革に賛成していることから両作品での相関関係に少し違いがあります。このようにドラマと映画で同じ原作なのにまったく同じになることなく、一つを見ればもう一つもと興味を惹かれると思います。